先週の金曜日はユーロ円やユーロドルが週のなかでも高い方のレベルに位置していた。これはその前日の木曜日が株高によるリスクテーク一色の相場となったためで、その流れを順当に引き継いだものだ。また原油価格は100ドルの大台を見たし、日経先物も震災後の戻り高値に迫った。まるでバーナンキ議長の景気スローダウン発言など意に介していないかのよう。ユーロ円の113円やユーロドルの1.44台というのは、いかにも高い。
私はユーロ円のショート作りに照準を当てていた。それは7月のレンジの半値戻しに近かったからだ。7月初旬には117.74までつけているが、これはギリシャ問題の緩和によるものだった。その後で第2週にはイタリア不安などで109.37まで下落している。そのちょうど半値戻しが113.555だったので、その辺を意識せざるをえない。
とくに私のようなユーロベアで眺めている人にとっては、なにがしらのテクニカルポイントを得たいところなのだ。重要な節目であれば、絶好の逆バリの場を与えることになり、売り込んでいく理由にもなる。
そこで私はタイトストップを置きながら、欧州時間の入り口においてユーロ円の113円台のショートメークに励んだ。売れてもなかなか下がらない。うまくフェイバーになっても10ポイントくらいだ。113.20あたりから売り出したのだが、すぐにストップ注文がついて再度の売り直し。
本来ならば113.55のちょっと外側である113.60に買い戻しのストップ注文を置いて構えていればいいのだが、なかなか下がらないユーロ相場を見ていると、損切りがついてもいつでも売りなおしが聞くと思い込んでしまうので、あまりワンショットで大きくやられないように仕組んでしまうのである。
なんとか最後には113.40でのショートを残すことが出来て、ニューヨーク市場へバトンタッチ。損切りも2回ほどついているので、実質的なコストは113.20あたり。ドル円の動きには期待していない。先週から動きの鈍くなっていたドル円だったが、79円ちょうどを割り込んできてからは、もう戻す力もないようだ。あとはユーロドルの下げに期待するのみだ。
米企業決算が出てGEやキャタピラーの数字が出てきたが、決算シーズンは山場を越しているので注目度は薄い。むしろ材料出尽くしの観点からグローベックスのなかでは株の利食い売りが優勢となった。そして次第にクロス円も軟化。私は外から携帯で為替レートをときどき見ていただけなので、何が起こっているのかは分からない。
とりあえず112円台のミドルも下回ってきたので、また売ればいいやベースで買い戻した。そのときにノルウェーでテロが起こっているなどとは知らなかった。珍しい友人が訪ねてきたので一緒に食事をしていたという事情もあるが、帰ると、テレビでものすごく騒いでいた。しかしユーロ円もユーロドルも100ポイントくらいしか下がっていないので、為替レートからすると大して反応していないともいえる。
そして週末、中国の高速鉄道が事故を起こした。これがどのくらい金融マーケットに影響を与えるのかが、週明け早朝の相場の見所だった。グローベックスでの米国株は金曜日のテロでの安値を下抜けしたレベルでスタートし、多少は戻したとはいえ、安値目指しての低迷状態。
一方での日本株はほとんど落ちていないので、為替相場はリスク回避では反応していない。欧州株も大きく値を下げて始まらなかったし、ムーディーズのギリシャ債に対するコメントに対してのユーロ売りに対する反応も限定的に留まっている。
今晩イベントはないが、爆弾テロと鉄道事故がマーケットのトピックの主題となるのだろう。ニューヨークオープンに向けて米国株が戻っていくようであれば、ユーロドルをロングにしてみても面白い。私は今のところユーロドルを朝からショートに傾けているが。
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