米政府閉鎖解除で「通常運転」へ、ボラティリティ再浮上の1週間
米国の政府閉鎖が解除され、市場はようやく「通常運転」に戻りつつあります。これまでずっと身動きが取りづらかった投資家にとっては、再びファンダメンタルズに基づく売買が中心となる一週間です。

過去最長の43日間にも及ぶ米国政府閉鎖が解除された。写真は別の大統領令に署名したトランプ大統領 (C)Pool/Getty Images
特に今週(11月17日~)は久しぶりにイベントが極めて多く、ボラティリティが高まる可能性が大きい点には十分な注意が必要でしょう。
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今週は米雇用統計からエヌビディア決算まで材料目白押し!
それでは、日別に注目すべき材料とポイントを整理しましょう。
火曜日(11月18日):ADP週次雇用者数
まだ、我々にはあまり馴染みがない「週次」雇用者数。
見所としては、通常の月次ADPと異なり、市場インパクトは限定的になるかもしれませんが、木曜日(20日)に発表される9月分・米雇用統計(NFP)を占う「最初のヒント」としても重要でしょう。
先週(11月10日~)発表された週次ベースでは雇用が弱含んでおり、今回も同様の弱い数字となれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ時期前倒し観測→米ドル軟化の反応が出やすい点に注意です。
水曜日(11月19日):英CPI(消費者物価指数)・FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨・NVIDIA(エヌビディア) 決算
水曜日はイベントが多いです。
●英CPI(消費者物価指数)
12月のBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])金融政策理事会での利下げの有無を決定すると言っても過言ではない重要指標。
インフレ率が依然高止まりしており、英中銀は「利下げしたいのにできない状況」です。
【※関連記事はこちら!】
⇒【英金融政策ウォッチ】英中銀は四半期ごとの利下げサイクルを見送り?インフレ率の高まりなどを考慮すると据え置きが妥当か?ドルインデックスは重要な節目迫る(11月18日、松崎美子)
事前予想は、総合インフレ率が前回+3.8%→今回予想+3.5%、コアは前回+3.5%→今回予想+3.4%となっており、なんらかのサプライズが出れば、英ポンド/円・英ポンド/米ドル・ユーロ/英ポンドなどが大きく振れやすくなります。

(出所:TradingView)
●FOMC議事要旨
前回会合では、インフレ率の粘着性が懸念材料となり、パウエル議長は「12月の金融政策への対応には『強い意見の対立』があり、追加利下げは『確定ではない』」と発言しました。
果たしてどの程度 FOMCで議論が過熱したのか、どのような意見が出たのか、タカ派がどこまで優勢だったのか?など、確認事項が山積みです。
その中でも特に私が気になるのは、以下の3点です。
・「利下げの開始時期」にどこまで議論があったのか
・インフレ鈍化の過程を、どう評価したのか
・労働市場悪化リスクへの認識の強さ
●エヌビディア(NVIDIA)決算(日本時間20日早朝)
ここ数年、エヌビディア(NVIDIA)の収益発表は、もはや単なる企業決算ではなく、グローバル株式市場のセンチメントそのものを動かす「重量級のイベント」となっています。
月曜日(11月17日)時点でのエヌビディア株のオプション・ボラティリティは±6.5%となっており、この数字はS&P500株価指数を±1.1%動かす要因となるそうです。執筆時の株価指数は6743.68ですので±1.1%動けば 約148ポイントの動きに相当する計算です。

(出所:TradingView)
決算内容が弱ければ、ナスダック総合指数主導で下落し、リスクオフ相場から円高の動きでしょうか?逆に内容が強ければ、株高・米ドル高・円安の流れとなりそうです。
木曜日(11月20日):9月分 米雇用統計(NFP)
待ってました!久しぶりの米雇用統計で、FX関係者にとっては「今週の最大イベント」とも言えるでしょう。
私にとっての注目ポイントは、以下のとおりです。
●非農業部門雇用者数(NFP)
9月の数字でデータは古いのですが、9月5日以来、初の発表です。
9月5日発表の8月分のNFPは、予想の7万5000人増に対し、実際の数字は2万2000人増に留まり、失業率も4.2%から4.3%へアップ(悪化)しました。
10月1日(水)からの米政府閉鎖前に報道された「9月予想」によると、NFPが6万人増、失業率は変わらず4.3%予想となっていました。(各銀行のNFP予想は、2万人減~10万5000人増)
予想より弱ければ、利下げ前倒し観測→米金利低下→米ドル安に素直に反応しやすいと考えています。もちろん強い数字であれば、逆の動きですね。
金曜日(11月21日):仏・独・ユーロ圏・英・米PMI速報値
私のイチオシ指標であるPMI速報値。繰り返しお伝えしているのは、数字だけ見ずに、レポートの最後に出ているエコノミストの見解を必ずチェックしてください。
最近のPMIを見ていると、米国の一人勝ちから 欧州の回復力確認への転換中と思われる内容になってきており、そこを改めて確認したいと思います。
それ以外での注目すべき点は以下にまとめます。
・独製造業に底入れの兆しが見られるか
・欧州景気の生命線であるサービス業PMIについてのエコノミストの見解
・英国については、インフレ粘着が強く、景気の耐久性がどこまであるか
・米国PMIの数字とエコノミストの見解が総じて弱ければ、景況感の悪化による株安でリスクオフ相場となり、円高に転じる可能性もあるでしょう。
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久しぶりのファンダメンタルズ主導の1週間
米国の政府閉鎖が終わり、市場は「経済データ」へ軸足を戻す段階に入りました。
とりわけ現在のマーケットは、
・米国の利下げ時期
・欧州の景気底入れの有無と時期
・英国のインフレの粘着性と財政政策の行方
という3つのテーマが交錯しやすい環境にあり、ボラティリティは確実に上がるはずです。
今週(11月17日~)はポジションサイズを通常より抑えつつ、指標結果を丁寧に追うことが求められそうですね。
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