■ユーロが抱える2つの問題とは?
当時、ヨーロッパにはあまりにも多くの通貨が存在しており、域内で貿易するにあたって、通貨の交換をいちいちするのにものすごいコストがかかることが問題になっていました。そして、これを解消しようというのがユーロを作った大きな目的でした。
しかし、その一方で心配材料もありました。
まず、通貨が1つになるため、中央銀行を1つにしました。つまり、どの国も同じ金融政策をとるということです。
しかし、それぞれの国の経済政策、財政政策、税制などはバラバラです。そうなると、各国ごとにこれらの政策は異なってきます。すると、「経済政策や財政政策」と「金融政策」というのは特に一体感をもって行う必要があるのですが、これができなくなりました。
もう1つ、ユーロという通貨を使うために、厳しい財政基準を作りました。つまり、あまり国が大きな借金をしないようにするルールです。しかし、実際はそのルールを各国がずっと守れるのかという心配がユーロができた当初からありました。
この2つが正に今、現実となっているということです。
■ユーロ/米ドル、ユーロ/円ともに戻り売り戦略が基本
私は、これで一気にイタリアがおかしくなるとは思っていません。
しかし、いつも言っているように、ユーロの問題は一時的に落ち着いてもまた何か新しい問題が起きるということを繰り返していますし、これからもおそらく繰り返します。
こういうことはいつ起きるかわかりませんので、ともかく、「買い戦略だけはとらないほうが無難である」というのが従来からの私の主張ですし、今もそう思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
「ユーロ/米ドル、ユーロ/円ともに基本は売り戦略。でも突っ込みすぎないで戻りを待つ」…この繰り返しを続ける。これでしょうね。
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