昨日はひさしぶりに為替相場も動きだしたような感じがする。別にフレッシュゾーンに入ってきているわけではないが、ドル円が30ポイント以上も動いて、77円台のローまで下がったのが、そういう気にさせたのかもしれない。とにかく昨日はEUサミットの第一日目でもあったし、また利下げするだろうと見込まれえいたECB理事会も重なったことで、マーケットはとてもに神経質になっていた。
欧州時間の始まりは、ユーロドルは1.34台の前半。いつものレベルだ。それで私は1.34台で多少なりとも逆張ってユーロ売りをしようと目論んでいたので、ECBの理事会まで張りつきで相場につきあっていた。BOEは予想通りで変更なしで、ECBも予想通りで25ベーシスの利下げ。ここまででユーロはほとんど動かず。
いやむしろこの後のドラギ総裁が何か信用不安の解消に向けて前向きな発言でもするのではないかという期待もあって、ユーロは強含んでいたほどだ。私はユーロ売りを狙っていたのだが、こうもユーロの腰が強いと売れなくなってしまう。仕方なく自分もドラギ総裁まで待つしかなくなった。
しかしこれで今年になって利上げした分が、まったく吹っ飛んでしまった格好になる。やはり今年の上半期の株価上昇は、アメリカのQE2による底上げというインフレのあだ花だったのだろうかと思ってしまう。3年ほど前に日本もちょっとだけ利上げをしたのに、すぐにもとのゼロレート政策に戻させられたことを思い出す。
ついにユーロ売りに手を出せずにドラギ総裁の会見の時間になってしまった。ユーロドルは昨日の高値と同じようなレベルにいて、グローベックスでの米国株はすでに今月の高値を更新してきている。すべてがドラギ総裁に期待しているかのようだ。22時半を越して、ドラギ総裁がしゃべり出すであろう時間帯。まだニュースには何も出ていないのに、すでに大いにリスクテーク方向で走り出した!
米国株も猛烈に上がり出したが、2分くらいの後には反転。ユーロも1.34台の前半にまで沈んできた。期待外れだったことは自分も想定していたし、また十分にありうることだ。私は内容の確認を後回しにして、とりあえず1.3388、もうすでに1.3400を割り込んでいた、で売り込んで、買い戻しのストップ注文を1.3425で置く。あくまでも暫定的なものなので、心情的には同値であってもやめたい気持ち。ただひたすらこのまま下がってくれる局面のみを前提としたトレンドフォローのポジショニングだ。
このステージでは1.33台の前半まで。私もユーロドルは激しく動いても、1.3450から下は1.3350だと思っていたので、あまり深押しは考えていない。1.3335で十分であり、とりあえず利食いで買い戻した。その後は米国株も始まってからは、ユーロドルはしばらくは揉んでいたが、米国株が崩れ出すと一気に状況は変わってきた。
これまでに溜まりに溜まったリスクテークのポジションのアンワインドが起こってきたのだ。私はポジションがなくなると同時に就寝したが、朝見ると米国株はズルズルと下げて、今週の上げ分をすべて吐き出してしまい、それにつれてユーロドルも1.32台ものぞいていたようだ。
今晩はEUサミットの2日目。いよいよ結論を出さないといけないところだが、ドイツの譲れないラインは変わっていないようだ。どうやら財政規律の強化は盛り込むものの、それを担保すべきペナルティはなし崩し的に先送りされるようだ。
やはり今夜もユーロは目先が重い展開となりそうだ。私ももういちど戻り売りを敢行したいところ。1.33台のミドルアッパーで売りたいが、アジア時間に上値トライをやって失敗しているだけに、1.3350を越えてくるのは難しいのかもしれない。
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