下のチャートをご覧いただければ、2008年安値から引かれたラインが、ちょうど節目の78付近に位置していることが、おわかりいただけるだろう。目先は、このレベルを維持できるかが焦点となる。
(出所:米国FXCM)
この点で、バーナンキ議長が「QE3」に言及しなかったことは、タイミングとしてとても「微妙」であった。マーケットに「神の見えざる手」が常に存在していることを、また意識する好例でもあった。
■ドルインデックスが78割れとなるか、否かが極めて重要
ドルインデックスは2月29日(水)に、78.09の直近安値レベルに一時迫り、節目の78割れ目前まで下落していた。
もし、これを割り込む場合はどうなるか? じつは、この問いに関するヒントが2月17日のコラムに提示されていたことを、賢い読者の方はお気づきであろう(「19カ月サイクルがユーロの切り返しを示唆。性急なユーロ売りは避けたほうがいい」を参照)。
(出所:米国FXCM)
はい、そのとおりだ!
節目の78を割り込めば、ドルインデックスにおける6ヵ月サイクルが示す米ドル安が一段と進み、最短で3月末まで、普通に作用するならば4月末まで、米ドル安が進む可能性が高い。
その反対に、78割れを回避できれば、序列上のサイクルの指示に従い、米ドル安ではなく米ドル高に転じる可能性が高くなる。
ドルインデックスの78が守られるか、否かが、今後のマーケットを左右する重要なポイントである。
■パラシュートなしで飛行機から飛び降りるような無謀行為!
なお、より詳細なテクニカルの話も本来はさせていただきたいが、やや複雑であるため、ここでは割愛とさせていただく。だが、相場を見通すためには、このようなテクニカル的な視点とセンスが必須であるということは、ここで強調させていただきたい。
評論家ならともかく、相場で利益を得たい人ならば、テクニカルアナリシスの視点とスキルは重要である。それがなければ、パラシュートなしで飛行機から飛び降りるような無謀行為を行っているようなものである。
ファンダメンタルズによる判断は、せいぜい飛行路線図に過ぎない。飛行機から飛び降りるにはパラシュートが必要であることを、決して忘れてはならない。
■米ドル全面高なら、米ドル/円はアタマを押さえ込まれる
今後の見通しだが、ドルインデックスが節目の78を割り込めば、しばらくは春景色が色濃くなるだろう。
逆に、2月29日(水)からの反発が「ホンモノ」であれば、バーナンキ議長の「無言」がもたらした「プチ・ショック」がより大きくなり、「春吹雪」が吹いてくるだろう。
また、ご注意いただきたいのは、米ドルの全面高は外貨安・円高をもたらすため、結果的に、米ドル/円のアタマを押さえ込む形になりかねないということだ。
(出所:米国FXCM)
最後に、ごく短期スパンにおける判断材料として、ヒントをもう1つ提示しておきたい。
2月10日のコラムで「英ポンド/米ドルは200日移動平均線を超えられるか?」といった問題を提示したが、答えは「YES」と書かせていただいた(「『米ドル安はまだ続く』と結論できたシンプルで皮肉なある方法とは?」を参照)。
上のチャートをご覧いただけば、このコラムを読み続けていただいている読者のみなさまなら、自ら判断できるだろう。
それでは、よい週末&よいトレードを!
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