■マーケットが期待する日銀のさらなる金融緩和策
ここでマーケットが期待しているのが日銀による、さらなる金融緩和策。
4月9日(月)のNY市場でも、日経電子版で「4月10日の日銀金融政策決定会合では緩和を見送るものの、4月末に追加緩和が決定され、資産買入拡大か?」という報道がなされ、米ドル/円、クロス円が反発。
ただ、この記事でも「4月10日は追加緩和を行わないが、4月末に追加緩和の可能性がある」と報道しているわけですので、その時点で米ドル/円を買い増す必要性はないのです。
けれど、海外勢は4月10日(火)の「追加緩和」をも期待し、米ドル/円は一時81.88円まで反発。
結果は事前に報道されていたとおり、4月10日(火)の会合では金融政策は現状維持。
これが追加緩和策発表への思惑を抱いていた欧米勢・短期筋の米ドル/円、クロス円ロングの投げを誘発。米ドル/円は81.00円を割り込み、一時80.575円まで急落するという荒っぽい展開になりました。
(出所:米国FXCM)
4月11日(水)の夜も某米系シンクタンクが「4月27日の日銀金融政策決定会合では追加緩和策が決定される」とのレポートを出した模様。そのウワサで、米ドル/円は一時81円台を回復しています。
つまり、多くの欧米市場参加者が4月27日(金)の日銀による追加緩和策を期待し、その報道があるたびに米ドル/円のロングを構築しているといった流れになっているわけです。
その結果、マーケットは4月27日(金)の日銀発表を次第に織り込みつつあるのですが、米ドル/円の上値は依然として重たい状態が続いていますので、米ドル/円のマーケットは米ドルロングが拡大している可能性が濃厚。
■米ドル/円は78円程度まで下押しする可能性も!
本稿は4月12日(木)に書いています。次の日銀金融政策決定会合の4月27日(金)まで、まだ2週間強あります。
その間、軟調に転じてきた米国株の下落が加速するような局面があれば、短期の市場参加者の思惑とは裏腹に米ドル/円は節目の80円を割り込んでしまう可能性が高まってきました。
マーケットの環境からすると、中期の円安の流れは変わらないのでしょうが、2012年は新年度に入っても本邦投資家からの米ドル買い需要が活発化しない中、米ドル/円の調整が長引くことも考えておいたほうがいいかもしれません。
レベルとしては78円程度まで下押しすることも考えられるでしょう。
(出所:米国FXCM)
友人のヘッジファンドも短期的には米ドル/円のダウンサイドリスクに備えている模様。
今週後半は米ドル/円のダウンサイドリスクに注目です。
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