■中国の景気状況にも暗雲!高まる世界経済への懸念
さらに、米国の景気状況もフラフラしていますし、問題は中国です。
中国では電力の消費量とGDP(国内総生産)に強い相関があることが知られています。電力の消費量がGDPよりも少し先行するということで、先行指標としても重要視されているのです。
それがここ数カ月、伸び率が急速に鈍化してきています。不動産価格も下落傾向が続いているようです。
かなり、成長の鈍化が心配されるような材料が出てきています。
先日、0.5%政策金利を引き下げたRBA(豪準備銀行)の議事録が今週(5月14日~)発表されていましたが、その中に、各国の経済が非常に不安定であることを懸念している様子が、ありありと書かれていました。
日米欧の株式市場も、こういったファンダメンタルズを反映して、軟調に推移しています。
イギリスの長期金利は、景気低迷を受けて史上最低の水準にまで下がっており、その他の先進国の長期金利も、記録的な低水準にまで下がってきています。
一方で、イタリア、スペインなどの南欧諸国の長期金利は、リスクプレミアム(※)が大幅に上乗せされて、急上昇してきています。
両者が“股裂き状態”になっているのです。これは、かなり深刻な状態だと考えておいたほうがいいでしょう。
(※編集部注:「リスクプレミアム」とは、金融商品においてリスクに応じて上乗せされる収益のこと)
■米ドル/円、クロス円は売り姿勢維持
基本的にはクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)、米ドル/円、株式ともに売り姿勢をそのまま維持しておいていいとは思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ただし、冒頭に申し上げたように、ギリシャ問題が少し先送りになっていますので、それまでは多少のゆり戻しもあったりするかもしれません。
ここからは、あまり突っ込んで売らないで、戻りをていねいに売る姿勢で臨んだほうがいいのではないかと思います。
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