野口日銀審議委員の発言で円安ムードが変わった
先日の日銀金融政策決定会合後の会見で、植田日銀総裁が、「もう少しデータを確認したい」と利上げに対して慎重な言い回しをしていたことで、円安方向に相場は向かっていました。
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ところが、今週(9月29日~)に入って野口日銀審議委員が「政策金利調整の必要性がこれまで以上に高まりつつある」と発言したことで、ムードが変わりました。
また、先日の会合の「主な意見」が公表されましたが、以下のような意見があったことが分かりました。
「大きく軌道を外れなければ、ある程度定期的な間隔で政策金利の水準を調整していくべきだ」
「再び利上げスタンスに回帰し、海外対比で低水準の実質金利の調整を行いうる状況」
「そろそろ再度の利上げを考えてもいい時期かもしれない」
実は、日銀会合のメンバーの中には、かなり利上げ派がいることが明らかになったことが、円高の流れを加速することになりました。

(出所:TradingView)
なお、一部では、米国政府機関の一部閉鎖が米国経済を下押しするのではないかという懸念からリスクオフの円買いになったという見方が出ていましたが、米国の株式市場が堅調なところを見ると、そうともいえないのではないかと私は思っています。
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米国政府閉鎖で雇用統計の公表されない見通し
ですから、この円高は日銀の早期利上げ期待がもたらしたものと考えていいと思います。
ただ、元々マーケットは年内の再利上げを期待していたのですから、元に戻ったということで、この円買い圧力もそろそろ終わると思います。
その後は、またレンジに入ってしまいそうな流れになってきてしまいました。本来であれば、明日(10月3日)発表される予定の米国の雇用統計に注目ですが、米政府機関一部閉鎖の影響で公表されない可能性が高まっています。
米ドル/円は146-149円程度のレンジを想定しておきます。

(出所:TradingView)
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