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西原宏一_メルマガ取材記事
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ユーロ/ドルは「grexit」ショックの逆襲に
注意! ドル/円の調整は78円台までか?

2012年05月21日(月)12:23公開 (2012年05月21日(月)12:23更新)
陳満咲杜

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 足元で進行している危機のほうがより深刻に見えるし、ポジション動向を見ても、ユーロショートの積み上げは史上最高レベルを更新している。

 ところが、肝心のレートは、相応して右下がりとはなっておらず、右上がりの傾向を見せている。前述のように、ユーロは先週末、かろうじて年初来安値更新を回避したが、このことも、ひとつの手掛かりだと思う。

 まとめると、「grexit」ショックでマーケットは荒れてきたが、ギリシャが本当にEUを離脱しないかぎり、マーケットの逆襲がこれから始まる可能性も大きいということになる。

 今週(5月21日~)あたりから、その可能性が意識され始めるのではないだろうか?

■米ドル/円は、円高トレンドに復帰してしまうのか?

 さて、次は米ドル/円である。こちらに関しては、終値ベースで79.52円を下回ったことから、従来のようなウェーブカウントは消滅してしまった「日本のバブル崩壊後、日本円は買われた。EUが混乱するほど、ユーロは買われる!?」参照)

 では、これから円高トレンドに復帰してしまうのだろうか?

 この質問の答えは、同じくチャートから見つけたい。米ドル/円の月足を見てみよう。

米ドル/円 月足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

本コラムの2月17日号で指摘したように、米ドル/円は198ヵ月サイクルをもって、2011年10月安値で底打ちした可能性が高い「19カ月サイクルがユーロの切り返しを示唆。性急なユーロ売りは避けたほうがいい」を参照)

 1995年に安値をつけて、それがボトムになったのと同様、サイクルの底打ちパターンとして、大型下落ウェッジの形成と上放れといった特徴も見せている

 前回の底打ちの場合、1990年4月高値から1995年4月安値まで、5年をかけて下落ウェッジのフォーメーションを形成した。

 一方、今回は、2007年6月高値から2011年10月安値まで、約4年半をかけて同じフォーメーションを形成した。

 両フォーメーションともに、時間をかけて形成された分、その上放れには重要な意義がある

■米ドル/円は78円台がサポートゾーン!

 テクニカルの視点では、フォーメーションの形成期間が長ければ長いほど、それを打破した後のトレンドも長く続く傾向がある。

 1995年安値からの切り返しは1998年9月まで続いた。このことを考慮すると、2011年10月安値から始まった切り返しが2012年3月高値で終了したとすれば、あまりにも短い。これでは、理屈に合わないということになる。

 したがって、2011年10月31日安値からのウェーブカウントを再定義する必要がある。

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 2011年安値を起点とした上昇ウェーブ自体は健在であるだろう。3月高値からの反落はあくまで調整波と数えたい。

 目先で、2011年安値から2012年・年初来高値までの全上昇幅の61.8%押しに当たる78.86円レベルのサポートに注目しておきたい。

 加えて、現執筆時点で、200日移動平均線は78.52円レベルにある。

 以上から、78円台をサポートゾーンとして意識し、調整のメドを計りたい。市況は如何に!

(2012年5月21日 東京時間9:00執筆)

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