ベネズエラ政変と「欧州の火種」が揺さぶる為替市場
2026年のマーケットは、歴史に刻まれるような波乱の幕開けとなりました。
新年の余韻に浸る間もなく、ベネズエラで起きたマドゥロ大統領拘束という衝撃的なニュースが飛び込み、週明けの市場は「質への逃避」と「地政学リスク」の織り込みに追われている印象を強く受けました。
今回のコラムでは、今 私の頭にある「マーケットの材料」をまとめてご紹介したいと思います。
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「米国の独断主義」と米ドル高
1月3日(土)のベネズエラ空爆を受け、月曜日(1月5日)のロンドン・オープンでは米ドル高の展開となりました。トランプ大統領が「場合によっては、ベネズエラへの第2波の投入も辞さない構えだ。」と発言したことは、米国の対外政策がかつてないほど攻撃的である事を象徴していると感じます。
FXトレードをする我々にとって、不透明な政変時にもっとも頼れるのは米ドルの流動性でしょう。
特に昨年(2025年)12月発表の第3四半期GDPが年率4.3%という強い数字であったことも、米ドルの底堅さを後押ししているのかもしれません。
第4四半期の数字はずっと弱くなると言われていますが、やはり第3四半期までの景気がこれほど強ければ、FRB(米連邦準備制度理事会)が慌てて利下げに踏み切る理由は乏しいと言えるかもしれません。
そして、金曜日(1月9日)に発表される雇用統計次第では、年内の利下げ観測そのものが消滅するかもしれず、注意が必要でしょう。

今週の米雇用統計次第では、年内の利下げ観測そのものが消滅する可能性もあるか。写真はパウエルFRB議長(C)Bloomberg/Getty Images News
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原油市場の「先取り」、カナダドルとノルウェークローネの憂鬱
今回の政変がもたらす長期的なインパクトとしては、原油市場に集約されると考えます。ベネズエラは現在、制裁により日量50万バレル程度の生産にとどまっていますが、昔は300万バレルを誇った産油国です。
米国の支援によるインフラ再建が始まれば、5~10年という長期スパンではあるものの、驚くほど大量の供給が市場に戻ってくることになります。マーケットは常に「先取り」しますので、資源通貨の中でも特に原油に関連性が高いカナダドル(CAD)やノルウェークローネ(NOK)にとっては、厳しい展開となるかもしれません。
月曜日(1月5日)のロンドン・オープンでは、ノルウェークローネ売り・スイスフラン買いが出たと言われていますが、チャートを見る限り、特に大きな動きには、なっていないようです。
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ユーロの「隠れた防波堤」、オランダ年金改革
月曜日(1月5日)のロンドン市場では、ユーロが大きく売られました。対米ドル、対クロス両方での売りです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
2026年のマーケットは、ユーロ高を予想するエコノミストが多く、初日から逆方向に行ったことになります。
日本ではあまりニュースになっていないかもしれませんが、今年(2026年)1年を通してユーロのサポート要因となりえる材料が欧州にはあり、それが「オランダの年金改革」です。
オランダは2026年1月から、1.5兆ユーロに及ぶ巨額の年金資産を、従来の「確定給付型(DB)」から「確定拠出型(DC)」へと完全に移行させるプロセスに入りました。詳細はまたいつかお伝えするとして、この一見地味な制度変更が、実はユーロのサポート要因になる可能性を秘めているとも言われているので、無視できません。
(※オランダの年金改革については、ザイ投資戦略メルマガ「ロンドンFX!松崎美子の長期投資で勝つFX!」で配信しています。10日間の無料期間終了後から利用できる会員限定ページでご確認ください)
もっとも顕著な変化が出ると予想されるのが、超長期金利の上昇であり、このゾーンで始まるであろう利回り上昇は、市場の裁定作用を通じて5年物や10年物といった短期・中期のユーロ金利全体を底上げすると見られており、利下げ予想が強い米国との金利差縮小により、ユーロに有利になるというしくみです。
これが、米ドルの独歩高に対するユーロの数少ない対抗策、すなわち「隠れた防波堤」として機能してくることが期待されます。
【※関連記事はこちら!】
⇒【2026年FX予想】第二の基軸通貨「ユーロ」が試される年になる!米ドルが弱含む局面でのユーロ買いからの安定的な定着が鍵!ユーロの売買ポイントを総ざらい(2025年12月16日、松崎美子)
ただしこの予想にも当然問題があり、マーケット関係者の共通した意見としては、どのタイミングでどの年金基金がどういう動きを出してくるのか、まったく予想がつかないことでした。
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2026年第1四半期(Q1)の戦略的視点
しばらく為替市場は「ベネズエラを巡る米国の武力介入リスク」と「ベネズエラの次はあるのか?」という点に支配されるでしょう。
しかし、水面下ではオランダの年金改革のような構造的な金利変化が、ユーロに影響を与えるタイミングが来ることも、忘れてはいけません。
ひとまず、2026年最初の取引日を見て思ったのは、
・米ドル
短期的には「質への逃避」を背景に買われる局面があるでしょうが、金曜日(1月9日)の雇用統計次第では、方向性が大きく変わる可能性が残ります。
これを書いている時点でのドルインデックスは98.383レベル。98.88と99.06には200日移動平均線と50日移動平均線が通っており、レジスタンスとして機能。きちんとした方向性が出るまでは、97.50~100のレンジ内での動きを予想。

(※筆者提供)
・ユーロ
対米ドルでは1.16台ミドルでひとまずサポートされました。今後については、オランダの年金改革のタイミングが不明ではありますが、一方的なユーロ急落は回避されることを期待しています。
・新興国通貨
マーケット参加者の間では、ベネズエラでの出来事を嫌気し、新興国通貨全般は戻り売りの対象と見る向きが多い印象を受けました。
個人的には、メキシコペソとコロンビアペソの売りには気をつけたいと感じています。
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