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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

【2026年のFX予想】豪ドル/円に注目! RBAがタカ派に転じ、リスク再始動の年で反発しそう。欧州通貨のクロス円も続伸し、スイスフラン/円は200円の大台超えの公算大

2025年12月11日(木)12:47公開 (2025年12月11日(木)12:47更新)
西原宏一

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今年もっとも上昇したのは最強通貨スイスフラン。スイスフラン/円の上昇幅は約30円。米ドル円は「行って来い相場」

 みなさん、こんにちは。

 早いもので今年(2025年)も残すところ、あと3週間となりました。

 今年はトランプ政権の誕生とトランプ関税による乱高下、そして高市政権の誕生と政治を中心に、マーケットのボラティリティは高めに推移してきました。

 その中で、米ドル/円も明確なトレンドを見せたのかというと、単なる行って来い相場に終わっています。

 今年の米ドル/円は本稿執筆時点で155.80円、始値157.20円、高値158.87円、安値139.89円で推移しており、値幅は19円ほどありますが、単なる行って来い相場。これだけトレンドレスだと、高いパフォーマンスを上げるのは容易ではありません

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView

 一方、今年のスイスフラン/円は史上最高値を更新し続け、きれいな上昇トレンドを描きました。始値173.56円、高値195.72円、安値165.86円、上昇幅は約30円で、本稿執筆時点でも195.00円レベルで推移しており、最高値更新をうかがっています。

スイスフラン/円 週足
スイスフラン/円 週足チャート

(出所:TradingView

 為替に限らず、きれいな上昇トレンドのある相場は、遅れて買いに入っても収益を上げやすいです。逆に米ドル/円のような行って来い相場は、高値買い、安値売りになりがちで、良好なパフォーマンスをあげるのに高度な取引手法を必要とします。

 逆に言うと、良好なパフォーマンスをあげるためには、取引手法を向上させるより、きれいなトレンドを描いている相場を探すほうがいいかもしれないということです。

 それでは、2026年にトレンドを描く通貨ペアを探ってみましょう。

2026年も欧州通貨のクロス円続伸の公算大。リスク再始動の年で、豪ドル/円が高いパフォーマンスを上げるとの予想も

 今年、日米金利差が縮小しても、米ドル/円が下がらず反発して年を終えそうなことから、仮に来年(2026年)、米金利が低下してドルインデックスが下がっても、円高は一時的となりそうです。

 その結果、スイスフラン/円を筆頭に欧州のクロス円は続伸すると考えており、スイスフラン/円は大台の200円を超えてくる可能性が高いでしょう。

スイスフラン/円 月足
スイスフラン/円 月足チャート

(出所:TradingView

 ただ、今回は今年頻繁に取り上げたユーロ/円、スイスフラン/円ではなく、来年の注目通貨ペアとして豪ドル円を取り上げたいと思います。

 豪ドルはリスクオフに弱く、今年のトランプ関税発表後のリスクオフの局面では一時86.04円まで急落した局面もありました。ところが、本稿執筆時点では104円台を回復し、過去3カ月続伸しています。

豪ドル/円 月足
豪ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

 この要因ですが、中国経済が想定より底堅く推移しているという要因もありますが、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のスタンスが変わったことが大きいです。

 ここで、RBAの金融政策の推移を確認してみましょう。

 現在、RBAの総裁はミシェル・ブロックで、基本的にインフレに厳しいスタンスの方です。ブロック総裁は12月初旬に行われた議会証言で、以下のようにコメントしました。


「インフレが予想より持続的である場合、需要圧力が続いていることを示唆しており、将来の金融政策に影響を及ぼす可能性があると警告」
「次の数カ月でより多くの情報が得られるが、インフレが予想以上に持続する場合は行動する用意がある」
「また、これ以上の利下げがない可能性もあるし、もう少しある可能性もあると、双方向のリスクを示唆」


 この発言の背景を簡単に説明しましょう。

 RBAは今年3回利下げを実施(2月、5月、8月)し、政策金利を3.60%まで引き下げています。しかし、10月のインフレ率が予想を上回って上昇。市場は当初、さらなる利下げを織り込んでいましたが、ブロック総裁の発言を受けて、2026年8月までの利上げ確率を90%まで織り込み始めました。

 つまり、利下げサイクルが終了し、場合によっては2026年に利上げに転じる可能性すら示唆する、かなりタカ派的な議会証言でした。これにより、今月(12月)の豪ドル円は続伸。

 そして、RBAは12月9日(火)に行われた会合で、政策金利(OCR)を市場予想どおり3.60%で据え置き。その後のブロック総裁の記者会見で「理事会は金融引き締めが必要となるシナリオを議論した」との発言があり、豪ドル円は本稿執筆時点では104円台まで上昇しているという流れです。

 豪ドルに関しては、モルガン・スタンレーが以下の理由から、2026年の注目通貨としてピックアップしています。


●2026年は「Risk Reboot(リスク再始動の年)」でリスクアセットの豪ドルに好材料
●コモディティ需要(特に銅・アルミ・電力資源)
●RBAの総裁がタカ派のミシェル・ブロック総裁となり、来年は利上げに転ずる可能性が高い


 こうしたことから、モルガン・スタンレーは2026年のFXでもっとも恩恵を受ける通貨のひとつとして豪ドルを取り上げています。

 個人的にもRBAがタカ派に転じたことから、豪ドル/円も反発に転じると想定しています。

 視点を変えると、豪ドルにここまで注目している銀行はあまり見かけないため、来年の豪ドル/円は久しぶりにフォーカスされるかもしれません。多くの銀行が同じコンセンサスを持っていると、マーケットは得てして逆にいく可能性も高いためです。

 今年はスイスフラン/円が30円ほど暴騰したのを筆頭に、欧州通貨のクロス円が上昇したのが目立ちました。

 来年はリスク再始動を背景に、欧州通貨のクロス円に加えて豪ドル/円も上昇トレンドを描けるのかに注目です。


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