米ドル/円は、高値の96.71円から93.45円まで下落しました。
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高値から3.26円急落したことで、米ドル/円は時間よりも値幅で調整が一気に進行したわけです。
一気に円高が進んだため、ヘッジファンドは事前に仕込んでいたドルプット・円コール(※)を利益確定し、今度は再度、円安方向へのポジションを構築中。
キプロスショックにより、調整を終了した米ドル/円は上昇を再開しました。
3月20日(水)には、一時96円台を回復しています。
(※編集部注:「ドルプット」は米ドルを売る権利、「円コール」は円を買う権利のこと)
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
さすがに96円台は上げ渋り、本稿執筆時点では95円台後半で推移していますが、今回のキプロスショックでも底堅さを見せた米ドル/円は、93~94円台が極めて底堅くなったと言えるでしょう。
■日銀総裁、副総裁の就任会見後は事実売り?
今週(3月18日~)の注目は、本日、午後6時に予定されている、黒田東彦日銀総裁と岩田規久男、中曽宏両副総裁の就任会見です。
海外勢を中心に、日銀新体制への期待がかなり高まっており、彼らのサプライズを誘うカードは少なくなっているため、会見後、短期筋がsell the fact(事実売り)で利益確定の米ドル売りを持ち込む可能性もあります。
ただ、前述のようにキプロスショックが期せずして米ドル/円の下値を確認した展開となっており、米ドル/円の下落幅は限定的でしょう。
オプション市場では、ヘッジファンドが再び円プットのオプションを物色し始めており、米ドル/円は、3ケタに向け上値を切り上げていく可能性が濃厚。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
レジスタンスである97円の壁を超えるのはちょっと時間がかかるのでしょうが、調整を終え、上昇余地が再び拡大した米ドル/円に注目です。
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