■米ドル/円も日経平均も上値が重い
イタリア総選挙とキプロス懸念という問題も消化し、アベノミクスに支えられた日経平均と米ドル/円は大きく崩れることはなく、米ドル/円は前コラムで書いた93~94円が強烈なサポートとなっていました。
【参考記事】
●キプロスショックのユーロ下落は沈静化。米ドル/円は3ケタを目指して再上昇!?(2013年3月21日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
しかし、前述のユーログループ議長のコメントで、マーケットはリスクオフ相場へ。
日経平均も50%戻しの1万2600円で上値が抑えられる展開となっています。
(出所:CQG)
米ドル/円も前述のコメントが出されてからは、一転して95.00円が重くなってきています。
■4月4日の日銀政策決定会合に注目!
このマーケットのセンチメントを変えるきっかけとして期待されてきたのが、4月4日(木)に予定されている、新メンバーによる日銀金融政策決定会合です。
これまではこの決定会合で「次元の違う金融政策」の具体策が打ち出されるというマーケットの期待が非常に高まっていました。そして、それによって円安が進んでいる面があったわけです。
しかし、ここに来て、マーケットのコンセンサスが変わってきました。この決定会合では「次元の違う金融政策」の具体策が打ち出されるのではなく、単に「次元の違う金融政策を検討する」ことだけが発表されるのではないかという懸念が高まっているのです。
具体的な緩和策は、もっとあとの政府が「財政再建プラン」を発表する時点で同時に発表されるという予測も台頭しています。
4月4日(木)以前に「緊急決定会合」の開催を期待する欧米の市場参加者も多数だったのですが、今のところ、そうした会合が開催されるという報道もありません。
仮に4月4日(木)の決定会合が欧米勢の失望を呼ぶことになれば、米ドル/円はサポートの93.45円を割り込み、調整幅が深くなる可能性が高まっています。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
キプロス問題がキプロス固有の問題で終わっていれば、米国株が堅調なこともあり、米ドル/円と日経平均は、大きな調整もなく底堅く推移することが期待されました。
しかし、ユーログループ議長のコメントがマーケットのセンチメントを大きく変貌させ、ユーロ/スイスフランとユーロ/円の下落が米ドル/円の上値を限定的なものとしました。
欧米勢も一転して、ユーロ/円を中心に利益確定売りを進めており、米ドル/円の下落幅も拡大しています。
4月4日(木)の日銀金融政策決定会合に注目です。
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