昨日の欧州序盤ではドル円が102円台の前半まで下がってきたので、いつものようにレンジ相場の下限だろうと想像して、お拾いに励んだ。私がやっとドル円を買うことができたのは102.29だった。ドル円に関しては本当はもっと下がるかもしれないと思っているほどベアだったが、グローベックスでの米国株は堅調だし仕方がない。
ドイツの景況感が良かったことで欧州株もしっかりしていて、場合によっては上昇に弾みがついても良さそうなステージに入っていた。ユーロドルもまた動かないだろうなぁと思って見ていたが、昨日は違った。
まずムーディーズがポルトガルの債務や今後の成長に関して懸念を示した。最近はポルトガルに対しての見方も楽観的になっていたので、それなりにインパクトがあった。それまで高いところに張りついてきたユーロが反転、下落。ちょっと短期的にユーロロングがたまっていたせいもあってか、ユーロドルはなかなか戻りらしいも戻り場もなくズルズル値下がりを演じた。
そして1.37台の前半まで来たときに、ロシアの軍事演習の話が出てきた。ウクライナの問題で欧米に押されっぱなしだったロシアだったが、ついにウクライナとの国境付近まで軍を進めてきたということだ。オリンピックの終わるのを見計らったように動き出すだろうというのは観測にはあったが、まさか本当に出動するとは。それで一気に地政学的リスクが高まった。
ドイツや米国の長期債は上昇。安全資産にシフトする。円買いなるかもしれないので、私もドル円ロングからこの時点でゲットアウト。多少やられてしまったが、このヤラレはユーロドルのショートで取り返したい。相場が動き出すと、いかにも自分の都合のよいように解釈できもする(笑)。やはりマーケットが動くということはいことだ。そういうわけで私はユーロドルの1.37台割れからストップ的に売っていった。
ちょうど新築住宅の指標も出る頃だった。その結果がとても良かったので、瞬間的にドル買い圧力が強まった。ユーロドルは1.3665のあたりまで差し込んだが、その後は容易に1.37台には戻しきる風がない。私は1.3674で買い戻してしまったが、長らく上のほうで膠着していた分だけ、戻りがない展開になりそうだ。これからもユーロドルは戻り売りスタンスで構えていくべきなのだろう。
今晩はイエレン議長の証言があるが、これは前回の延期の分なので、内容は変わり映えしないものとなるだろう。特に緩和縮小についてはフレッシュな見解が出てくるはずもなく、マーケットに影響を与えることが少ないだろう。それよりもロシアの軍事行動のほうが気にかけておかなければならない。ましてやプーチン大統領が何かコメントするような事でもあれば、それがマーケットを引っ掻きまわすことにもなるかもしれない。
後はアメリカでも問題になりつつあるビットコインの取引停止である。米政府も何かしらのアクションを起こす意志表明でもすれば、仮想通貨と言いながらも存在感を増しているビットコインが、リアル通貨の世界も動かすことにもつながりかねない。私見ではあるが、新興国の通貨よりも存在意義は大きいのではないかと思える。
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