■コンセンサスとは裏腹に広範に米ドル安が進む
さて、他通貨に目を向けると、M&A絡み(前コラム参照)で底堅く推移している英ポンド/米ドルは1.7000ドルのオプションのバリアブレイク直前の1.6998ドルまで上昇。
【参考記事】
●買収総額10兆円の噂がマーケットの話題!英ポンド/円は170円台後半まで上昇か(2014年5月1日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
ユーロ/米ドルは一時1.3952ドルと1.4000ドルのバリアに向けて、じりじりと値を上げています。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
豪ドルやNZドルも総じて堅調で、オセアニア通貨に対しても米ドルは軟調。
この米ドル安の要因ですが、
(1)多くの参加者が米国債をショートにしているため、米経済指標が予想どおり良好な数字で発表されても米金利が上昇しないこと。
(2)ロシアとPBOC(中国人民銀行)がリザーブ(外貨準備)の調整で、米ドル/円とユーロ/米ドルで米ドル売りを繰り返していること。
などが挙げられていますが、明確なことはわかりません。
ただヘッドラインとしては、忘れられかけていたウクライナ問題も要因の1つにあるようで、ウクライナ問題が長期化してから、資金が米ドルから他通貨へシフトしているという意見もあります。
どちらにせよ、結果としては2014年のマーケットのコンセンサスとは裏腹に、広範に米ドル安が続いています。
米ドル/円も年初の高値は105.48円でした。
■ECB理事会で米ドル安の流れが変わるか?
この米ドル安の流れが継続するのかどうかを探る意味で重要なのが、本日のECB(欧州中央銀行)理事会。
コンセンサスは政策変更はなし。
あとは「言うだけドラギ、やらないドラギ」の会見が予定されています。
気をつけたいのはコンセンサスが「政策変更なし」であまりにも偏っているため、仮にECBが緩和に舵を大きく切れば、この米ドル安の流れを変えるきっかけになる可能性もあるということです。
ECBのスタンスに変更がなければ、広範な米ドル安継続で、ユーロ/米ドルは1.4000ドル、英ポンド/米ドルは1.7000ドル超えとなり、米ドル安継続が濃厚。
本日のECB理事会に注目です。
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