■連休明けの日経平均は、前日比424円安の大幅下落!
ゴールデン・ウィーク明け、5月7日(水)の東京市場では、日経平均が前日比424円安と大幅な下落となりました。
週末から6日(火)まで東京市場はクローズしていましたが、その間のニューヨーク市場の動きを確認すると、2日(金)のNYダウの始値は、1万6562ドル、6日(火)の終値は1万6401ドルでしたから、161ドルの下落となり、下落率は約1%。
(出所:米国FXCM)
一方、7日(水)の日経平均は、約3%の下落となっています。つまり、日経平均はNYダウよりも、遥かに下落しているということになります。
(出所:株マップ.com)
■もはやアベノミクスという言葉すら使わない方が良い…
その傾向は、2014年に入ってからの両市場の動きを比較してみるとよくわかります。
まず、チャートの形を見れば視覚的に理解できるでしょう。年初来で考えてみると、NYダウはほとんど変わっていないのに対して、日経平均は13%以上の下落となっています。
(出所:米国FXCM)
(出所:株マップ.com)
日経平均は2013年の1年間で5割以上、上昇したため、その反動だと説明する人もいますが、それまでが異常に安かったわけですから、あまり説得力はありません。
ここでも何度か取り上げたとおり、やはりアベノミクスに市場が飽きているということではないでしょうか。もはやアベノミクスという言葉すら使わない方が良いと私は思っています。
【参考記事】
●相場もゴールデン・ウィークに突入か?102円台膠着の米ドル/円が動く材料は…(5月1日、今井雅人)
●銀座で寿司でもTPPは日米合意せず!海外投資家はアベノミクスをどう見ている?(4月24日、今井雅人)
■法人税を一気に20%台に引下げれば株価は上昇する
今後の焦点ですが、6月に第2弾の成長戦略「骨太の方針」が発表されます。ここでは、法人税の減税にどれぐらい踏み込めるかが焦点です。
甘利経済財政担当大臣は、法人税を現在の35.64%から一気に20%台にまで下げたいと発言しています。それが、もし一気に実現できれば株価は上昇すると思います。
しかし、「段階的に」といった中途半端な表現では、おそらく市場は満足しないのではないかと考えています。
■麻生大臣のあの発言も注目材料に
さらに、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の改革案が6月にまとまり、その後、7月から具体的な検討に入ると麻生財務大臣が公式の場で発言しているので、これも注目材料です。
国内外の株式などのリスク資産をどの程度増やすかについて、市場は注目しています。
【参考記事】
●麻生大臣のうっかり答弁で日経平均上昇!一押しの豪ドルは中期的には依然強気!(4月17日、今井雅人)
■7月の日銀短観まで日本株は、やや弱気か
また、日銀はどうでしょうか。現在、黒田日銀総裁は物価目標2%達成に強い自信を持っているので、今のところ新たな金融緩和へと動く気配はありません。
しかし、政治からのプレッシャーも出てくるでしょうから、消費税増税の影響を見る3カ月が経過した7月頃に一度検証をすることになると思っています。
まずは7月1日(火)の短観を見て、さらにはその時の為替レート、株価なども勘案しながら、どうするか判断することになるのではないでしょうか。それまで私は、日本株に関しては、やや弱気とみておきたいと思います。
さて、為替相場の方ですが…
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