さて昨日はFOMC待ちとなった。ユーロドルが1.3502を下値のメドとして、その戻りは1.36台に乗せることができないでいる。ドル円も102円ちょうどをはさんでこう着感を高めているのに、ユーロドルも100ポイント以内のレンジを脱しきれないでいる。このレンジブレークがFOMCによってになるのか。それだけが私の興味である。たぶん内容はそんなに事前の予想から、はみ出したものにはならないだろう。
マーケットのコンセンサスとしては、政策金利に変更はなしで、緩和縮小が100億ドルのテイパリング。強いて注目点を見出すとするならば、出口戦略に関する議論の動向だが、それは期待薄である。利上げの時期を明示するなど、ありえないからだ。だとすると、そのような予想通りの金利会合が終わった後に、マーケットが反応しきれるのかどうかである。
FOMCの発表の直前までに、ドル円は102円台にまで戻し、ユーロドルも1.35台の後半まで上がっている。双方ともにここ最近のレンジの上端である。ファンダメンタルズ的に考えれば、緩和縮小なのだから金融のタイトニングである。素直に考えればドルの魅力が上昇するのだから、ドル高で反応してもよいところだ。しかし実際はクロス円の上昇という形でFOMCを迎えようとしている。
結果は予想通りであった。文言の内容にも目新しいものはなかった。景気の回復が鮮明になったというのが追加されたが、これは米国株が歴史的な最高値にいるのだから、言わずもがなのことである。100億ドルの緩和縮 小は既定路線の通りに決定された。そして「利上げは相当の間を置いてから」といって釘をさしておくのも忘れていなかった。
発表された瞬間には為替相場も金利の動向も、上下に振らされた。しかし結果的にはドル安の方向に進んだ。金利は短期も長期も低下している。マーケットではテイパリングによる影響を過度に織り込んでいたのだという結果に終わった。
結果が想定内で終わったことで、マーケットには安心感が広がったというのか、米国株は史上最高値を更新して、そのまま高値圏で終了。その勢いは今日のアジア時間で日本株などの高値追いとなって現れている。しかしドル円もクロス円も上昇には弾みがついていない。日本株の上昇には懐疑的なのだろうか。ちょっと時間をかけて様子を見守るしかないだろう。
今晩は昨日のFOMCでの結果の消化具合を確かめる1日となりそうだ。果たしてこのままドル安で進むことになるのか。ドル円が101円台の後半であるだけでは、まだなんとも言えない。ユーロドルも1.35台を脱しきってはじめて、方向感がでてくるものと考えている。
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