■米ドル/円が6年ぶりに110円の大台へ! 達成後は…
昨日2014年10月1日(水)、米ドル/円は一時的ではありましたが、とうとう1米ドル=110円の大台をつけました。実に6年ぶりのことです。

(出所:米国FXCM)
しかしその後、110.10円に非常に大きな売り注文があったこともあり、その水準で跳ね返され、反落してきています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
110円という非常に区切りの良い数字を達成したということで、短期的には、市場に少し達成感が出てくるかもしれません。つまり若干の調整と、その後のもみ合いの展開というのが、もっともありがちな動きではないかと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
しかし、米ドル高の環境に何か大きな変化があったわけではないので、まだ基本的な方向は変わっていないと考えておきたいと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■NYダウと同時に米長期金利も急落! 0.1%はかなりの動き
1つ気になるのが、昨日10月1日(水)の米国市場です。NYダウなどの株価が急落したことは、みなさんご存知だと思いますが、実はそれと同時に、長期金利も急落しています。

(出所:米国FXCM)
米国の10年物国債の利回り(米長期金利)は、1日で0.1%低下しました。

(CQG)
0.1%と言うと大したことはないように思うかもしれませんが、これだけ低金利の世の中において、1日で0.1%動くというのは、なかなか見られません。かなりの動きだったと言って良いと思います。
金利低下は、当然通貨安を招くため、今後の動きは、少し注意して見ておきたいと思います。
■「地方創世」で過度な円安への警戒発言が出るか
その次に気になるのは、日本政府の今後の為替相場に対する動きです。
今週、9月29日(月)から臨時国会が始まりました。この臨時国会は、「地方創生」と「女性の活躍」が大きなテーマとされています。
そのうちの1つ、「地方創生」でありますが、最近の円安により、地方経済や地方に住んでいる人たちへの悪影響が出てきていることが、すでに指摘され始めています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
実際に、私も各データを調べてみましたが、興味深い結果が出てきました。まず、ここのところ、「東京より地方の方が物価上昇率が高い」という結果が出てきています。
また、円安になると上場企業は収益が拡大する一方で、非上場企業は収益が悪化するという試算をみずほ銀行が出しています。
つまり、地方がテーマになっている状況下で、過度な円安への警戒感を示すような発言が政府から出てくるかもしれません。そのあたりを少し念頭に置いておいた方が良いかもしれません。
■ウクライナ情勢とイスラム国、さらに香港のデモ…
その他の懸案でありますが、ウクライナ情勢については、すでに長期化はデファクトで、材料にはならないと思います。
イスラム国に関しても、今のところ市場への影響はほとんどないと言って良いと思いますが、何人かの専門家が指摘しているように、今後、イスラム国のメンバーがそれぞれの国に戻って、テロ行為を行うようなことになれば、一気に市場が混乱することになるというリスクは考えておきたいと思います。
また、香港で起きている民主化要求運動の高まりにも少し気をつけておきたいと思っています。
今のところは、危険な状況になったとまでは言えませんが、なにせ中国では、かつて天安門事件が起きています。
若者が民主化を求めてデモ活動を行うという点では、今回のケースは天安門事件に類似しています。習近平さんが、どういう姿勢をとっていくのかは、注意しておかなければならないでしょう。
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