■ニュージーランドの首相発言などでNZドル売りが加速!
米ドル/円同様、こちらのコラムで注目しているNZドルも今週(9月29日~)急落。
【参考記事】
●ドル/円は節目110円越え濃厚で112円へ! コモディティ低迷で資源国通貨は続落か(9月25日、西原宏一)
●アベノミクス第2幕! 約12.6兆円の円売り発生の可能性! 米ドル/円は108円へ!(8月21日、西原宏一)
●売り材料には事欠かないユーロ。なのにユーロ/米ドルの下落が緩慢な理由とは?(8月7日、西原宏一)
まず、9月29日(月)にRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が、8月中に5.2億NZドルのNZドル売りを行ったことを発表。
金額自体は大きくないのですが、RBNZによるNZドル売りはそれほど頻繁には行われていないこと、加えてRBNZの過去の介入は極めて効果的であったことからマーケットのNZドル売りが加速。
そして極めつけは、キー・ニュージーランド首相の下記のコメント。
「ニュージーランドドル(NZドル)にとっていわゆるゴルディロックス(景気が過熱しすぎず不況でもない、ほどよい状態)な水準は1NZドル=0.65米ドル前後だ」
このコメントを受け、NZドル/米ドルはあっという間に0.7709ドルまで急落。
(出所:米国FXCM)
■調整が終われば、NZドルは再び下落か
先週のコラムでご紹介したとおり、RBNZは先週すでに為替のレートに対してコメントしています。
【参考記事】
●ドル/円は節目110円越え濃厚で112円へ! コモディティ低迷で資源国通貨は続落か(9月25日、西原宏一)
数カ月前までRBNZの利上げ予測を背景に0.88ドル台まで急伸していたNZドル/米ドルですが、ソフトコモディティ(※)の下落とともに経済が減速。
(※編集部注:「ソフト・コモディティ」とは、小麦、小豆、砂糖、コーヒーといった農産物のこと)
今週、10月1日(水)に発表されたニュージーランドの大手乳製品メーカー・フォンテラ社の乳製品価格入札も前回比でマイナス7.3%と大幅下落になりました。
そのため、ニュージーランドは首相も含め、NZドルの水準を訂正しようとしており、NZドルの下値余地は大きく拡大。
前述のニュージーランド当局のあからさまなコメントで、通常、NZドルを取引しない参加者もNZドルのマーケットに参入しており、今週(9月29日~)のNZドル/米ドルのマーケットは、0.77ドル台に急落した後、0.79ドル台に急反発するという乱高下を演じています。
(出所:米国FXCM)
ボラティリティが高まり、荒れ模様なマーケットのNZドルですが、NZドル/米ドルはRBNZがコメントした0.8000~0.8100ドルの水準は極めて重く、調整が終わればNZドルはまた下落を再開すると考えています。
(出所:米国FXCM)
当局が為替の水準訂正を図っているNZドルに注目です。
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