■ギリシャ問題は持ち越しで、ユーロ/米ドルは小動き
みなさん、こんにちは。
グローバルには依然として、ギリシャのユーロ離脱(Grexit)に話題が集中しており、ユーロの行方に関する記事が目立ちます。
【参考記事】
●ギリシャがユーロ離脱ならユーロ/米ドルは0.9ドルへ!? 日本の年金が豪ドルを下支え(2月11日、西原宏一&松崎美子)
●ギリシャのユーロ離脱(Grexit)懸念などでユーロ/米ドルは1.15ドルへ向けて続落か(1月8日、西原宏一)
しかし、2月11日(水)のユーロ圏財務相会合でもギリシャ問題は決着を見ず、この行方は、来週、2月16日(月)に開催される、定例のユーロ圏財務相会合まで持ち越しとなりました。
そうした騒動の中、肝心のユーロ/米ドルは、1.1300~1.1350ドルという狭いレンジで推移しています。
わずかな可能性ではありますが、「Grexit」が現実化すれば、ユーロ相場はまったく違う展開になるのでしょうが、今週(2月9日~)のユーロ/米ドルは、1.1350~1.1400ドルのオプションのガンマ(※)の影響が色濃く、大きく報道されるわりには小動き。
(※編集部注:「ガンマ」とはオプションの指標の1つ)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
そんなユーロ/米ドルを横目に、米ドル/円はじり高に推移。
前コラムでご紹介させていただいたように、米ドル/円は116~119円での底固めを終え、120円を回復。一時、120.48円まで上昇しています(※)。
【参考記事】
●金融緩和競争を米国が静観する理由は? ドル/円は底固めから122円へ向け上昇か(2月5日、西原宏一)
(※編集部注:米ドル/円は西原氏からの寄稿後、本記事編集中の2月12日(木)17時25分ごろ、日銀関係者が「日銀追加緩和は逆効果」とコメントしたとの一部報道により、118.7円台まで急落。その後、119円台後半まで反発するという、荒っぽい展開になっています)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■米雇用統計きっかけに、米ドル/円は上昇トレンド回帰
米ドル/円が116~119円のレンジをブレイクしたきっかけは、まず、2月6日(金)の米雇用統計。
1月分の米雇用統計は文句のつけようのない好結果。加えて、2014年11月分、同12月分も大幅に上方修正されています。さらには、時間当たり賃金の上昇も加速しており、マーケットは、2015年6月のFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げを織り込む形に。
この数字を受け、米ドル/円は119円台を回復。ユーロ/米ドルもいったん下落しましたが、こちらはギリシャ問題が不透明なことで、下げきれず。
2015年に入って、蚊帳の外であった米ドル/円相場ですが、IMM(国際通貨先物市場)の通貨先物の残高にも示されているように、円ショートは激減しており、米ドル高は対円に集中。

(詳しくはこちら → シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
加えて、本邦年金からと思われる日本株買いが断続的にマーケットに持ち込まれており、本日(2月12日)の日経平均は終値ベースで1万8000円に急接近。

(出所:株マップ.com)
呼応して、米ドル/円も本稿執筆時点では120円台前半で推移しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)
他通貨に比べて、対円での米ドル買いが…
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