■ドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円の関係を計算すると…
米ドル/円については、終値をもって120円の節目を回復するかどうかが近々のトレンドを測る基準となろう。
2月13日(金)のコラムでは、「ユーロ/円の136.50円回復なし」という前提で米ドル/円のレートを逆計算したので、同じ計算式をもって再測定しておきたい。
【参考記事】
●追加緩和は逆効果?日銀騒動でドル/円急落! 日銀関係者の「単独犯」ではない可能性も(2015年2月13日、陳満咲杜)
足元の状況から考えて、ユーロ/米ドルは1.1600ドル打診よりも、1.1000ドルにトライする可能性が大きいから、仮に米ドル/円が119.60円前後の高値を維持できた場合、119.60円×1.1000ドル=131.56円、つまりユーロ/円=131.56円というレートが得られる。
しかし、ユーロ/円のチャートから考えて、どちらかというと、131円台の下値打診に止まらず、2014年高値を起点とした下落波が継続され、安値更新につながっていくイメージが強い。この場合、やはり、米ドル/円が119円台を維持できない可能性が大きく、ユーロ/円につられる形でいったん押し目を深めていくだろう。
もちろん、前回計算した際も強調したように、それぞれの通貨ペアでレートの変化にスピード差もあるので、すべてを単純に計算できるとは限らないから、あくまで目安として意識する必要があるだろう。
■対円でユーロとポンドの動向が合致するとトレンドが明確に
ユーロ安の「硬直化」は、ホンモノであればあるほどありがたい存在だ。なぜなら、ユーロというメイン通貨のベンチマークとしての価値が大きくなり、より参考になるからだ。
下の2つのチャートをご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
(出所:米国FXCM)
上のチャートから考えると、1月安値から、なぜ英ポンド/米ドルのリバウンドが大きかったかをよく理解できる。
また下のチャートをよく見てみると、ユーロ/円と英ポンド/円の動向が合致すればするほど円のトレンドが鮮明で、乖離すればするほど円のトレンドレスが示唆されていることがわかる。
その上で、両者が再び同じ傾向を見せ始めたら…おっ、賢い読者のみなさんは、もうすばらしい見解を見出していますね。だったら、蛇足にならないうちに、筆を置きましょう。市況はいかに。
(14:00執筆)
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