■夏枯れ相場の中、米ドルが堅調
夏枯れ相場というか、マーケットにおける流動性が低下している。それにしても、やはりドルインデックスが堅調に推移、一時、7月高値を更新した。
(出所:米国FXCM)
さらに、米ドル/円の上昇ぶりが目立ち、いわゆる「黒田ライン」を突破している。
(出所:米国FXCM)
7月24日(金)の本コラムでは、「黒田ライン」のブレイクを予想していた。根拠は同コラムで説明したので、ここでは重複して説明しないが、強調しておきたいのは、マーケットにおいて、明確な「ライン引き」ほど、試される公算は高いということだ。今回の米ドル/円のケースも、然りである。
【参考記事】
●ブラックマンデー再来に注意! 米利上げが世界的金融恐慌を起こしてもおかしくない!(2015年7月31日、陳満咲杜)
米ドル/円を含め、米ドル全般が堅調なのは、背景に米9月利上げ観測の再燃があることが大きな理由となっているだろう。
米FRB(米連邦準備制度理事会)理事による早期利上げ示唆のほか、米供給管理協会(ISM)が発表した7月の非製造業総合景況指数が2005年8月以来の高い水準となり、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の最も高い数字を上回ったことが一番効いたのだろう。
ただし、予想よりかなり悪かった指標もあったので、今夜(8月7日)の米雇用統計が一段と重要になってくる。
結局、2015年年内利上げ確実と言われる中、9月利上げの有無が当面のマーケットの焦点となり、また、利上げが実施されるまでは、これがマーケットのメインテーマとして不動であろう。
■米国株の不安定な動きがシナリオを狂わせる?
この意味では、米ドル高になっているとはいえ、そのトレンド自体が指標次第といった側面が強い。また、不安定になってきた外部要因によっても左右されると言えるだろう。中国株の暴落に続き、実は米国株も不安定な動きを見せているから、米早期利上げのシナリオを狂わせるリスクさえあると思う。
前回のコラムでは、米利上げ周期入り自体が世界景気後退局面に重なるリスクがあり、新興国を始め、相場が崩れる恐れがあると指摘したが、ブラックマンデー並みの規模なら、米国も免れないだろう。
米アップル株の急落を、2011年秋から続いてきた米株高の終焉の前兆と受け止めるべきだろうか。
【参考記事】
●ブラックマンデー再来に注意! 米利上げが世界的金融恐慌を起こしてもおかしくない!(2015年7月31日、陳満咲杜)
何しろ、米アップルは米国企業の代表格で、もっとも収益率が高いことを誇ってきた企業だ。最近の「トリプル・トップ」のフォーメーションをつけてからの急落は、米マーケット全体に一抹の不安を与えたに違いない。
(出所:米国FXCM)
実際、NYダウは今年(2015年)の高値からすでに…
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