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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

ドル/円ブレイク材料は10月最終週に集中!
それまでは「弱含みのレンジ相場」か

2015年10月15日(木)16:58公開 (2015年10月15日(木)16:58更新)
今井雅人

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■8月米雇用統計発表時の安値118.60円を意識か

 ただ、本日10月15日(木)のアジア市場では、ゴトー日(米ドル決済需要が高いと言われる「5」と「10」がつく日)とあって、朝方から本邦実需の買いが観測されているほか、本邦長期資金の買いが断続的に持ち込まれています。

 9月4日(金)の8月米雇用統計時の安値である118.60円を意識してか、下押しを拾いたい向きも多く、日経平均の買い戻しとともに、米ドル/円は、一時119円台を回復しました。

日経平均株価 日足
日経平均株価 日足

(出所:株マップ.com

 市場では、10月に入ってから第3四半期が始まったことで、新たに長期資金の買いが観測されているほか、本邦実需勢の買い意欲も強いようです。

■年内利上げについてFOMCメンバー間でも意見が分かれる

 しかしながら、黒田日銀総裁が追加の「量的・質的金融緩和」に極めて消極的なうえ、米国が金融政策正常化という「大義名分」があるにもかかわらず、その決断すべき時期を逸してしまった感が強まっている中では、前述のような買いが下支えにはなっても、なかなか上値を追って米ドルを買い上げていく地合いまでにはなりません

【参考記事】
追加緩和に応じない黒田総裁の本音とは?ポイントは昨年秋から急落した原油価格!(10月8日、今井雅人)

 10月のFOMC(米連邦公開市場委員会)が、月末の27日(火)~28日(水)に控えていますが、FOMC内部では、中核メンバーの中でも「年内利上げ派」と「年内利上げ見送り派」とで完全に見解が分かれてしまっています。

 だからこそ、今後、発表される米指標には、長期金利を中心に敏感に反応するでしょう。

■10月最終週に米ドル/円のブレイク材料が集中!

 本日10月15日(木)に予定されている9月米消費者物価指数や、2日(金)の米雇用統計以降、2度に渡って「10月利上げの可能性」を示唆しているダドリーNY連銀総裁の発言内容の変化などは、市場参加者の認識に大きく影響を与えることになります。

 いずれにしても、10月最終週に集中する、中国の新5カ年計画やFOMC、そして日銀金融政策決定会合が、いまだにレンジをどちらにも抜け切れない米ドル/円相場のブレイク材料となる可能性が高いでしょう。

 それまでは、これまでの120円を挟んだもみ合いから、若干下サイドに取引レンジを引き下げた弱含みのレンジ相場と考えた上で、トレードを続けるしかなさそうです(※)。

(※編集部注:2015年10月15日(木)15時ごろに本記事が寄稿されたあと、編集部で編集作業中だった16時台に米ドル/円は急落。2015年9月以降の安値を下抜け、一時118.10円付近まで下落した)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足


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