■ブルームバーグの観測記事を受けて米ドル高に!
ゴールデンウィークがありましたので、先週のコラムは、お休みをさせていただきました。2週間ぶりのコラムとなります。
2週間前、4月28日(木)のコラムでは、米ドル/円は107円台半ばを下抜けしていくと、2014年10月15日の安値105.195円まで下落する可能性があるとの見方を示しました。
【参考記事】
●日銀追加緩和見送りが妥当な理由とは? ドル/円は107円台半ばを下抜けるかがカギ(4月28日、今井雅人)
その前後の動きでありますが、107円台を3回止められた後、4月22日(金)に、ブルームバーグが、日銀の金融緩和に関しての記事を掲載したことに反応して、一気に111円台後半にまで米ドル高・円安が進行しました。
この記事自体は、ただの観測記事で、日銀内部での検討が進んでいるという事実でも何でもなかったのですが、市場がかなり米ドル/円のショートに傾いていたことで、ポジション調整に使われてしまったということではないでしょうか。
そして、実際には日銀は金融緩和をしなかったので、そこから一気に米ドル安・円高が進行しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■そもそも、日銀は今回追加緩和する必然性はなかった
そもそも、今回の政策決定会合において、日銀が追加の金融緩和をする必然性はまったくなかったと私は考えています。
なぜなら、最近、原油価格が40ドル台で安定しています。黒田総裁は以前から、「原油価格の下落が物価の下落をもたらしており、その影響を除けば、物価は上昇基調にある」と主張していたわけで、原油価格が安定している状況で緩和をするのは論理的におかしくなります。
(出所:CQG)
また、2016年1月にマイナス金利を導入しましたが、黒田総裁は、「マイナス金利が実態経済に影響を及ぼしてくるのは時間がかかる」と発言してきているため、少なくとも数カ月は様子を見る必要がありました。
以上の理由から、今回は緩和が見送られたというのも、至極当然の結果だと言えます。
4月28日(木)に金融緩和が見送られたあとは…
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