■FOMC議事録は6月利上げを示唆する内容に
マーケットで大きく後退していた米国の利上げですが、5月19日(木)に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録では6月利上げの可能性を示唆。これに呼応し、米ドルが一時全面高となりました。

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米ドル/円は久々の110円台。ユーロ/米ドルは1.12ドル台前半。

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このコラムで注目の豪ドル/米ドルは07200ドル割れ目前の0.72ドル台前半で推移。
【参考記事】
●豪ドルはなぜ、急落しているのか? 豪州はゼロ金利へ向かっているとの予想も!?(5月12日、西原宏一)

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FOMC議事録は、FRB(米連邦準備制度理事会)が依然として中国経済の動向を筆頭に世界経済の下ぶれリスクを注視していること、加えて、英国のEU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票が、マーケットの不透明さを増す要因になるのではないかとの懸念があることをうかがわせる内容となっています。
一方、米国の6月利上げ予測の台頭による米ドル高を嫌気して、米国株は軟調。商品相場は下落しました。

(出所:CQG)

(出所:CQG)
マーケットはリスクオフへとシフトしつつあり、これが米ドル/円の上値を抑えています。
■日本企業の社内レート変更が米ドル/円の上値を抑える
しかし、この米ドル全面高の流れの中、米ドル/円の戻りは限定的。
その要因のひとつが本邦企業の米ドル/円の社内レートの変更。
多くの日本企業では、今年度(2016年度)の米ドル/円の社内レートを大幅に下方修正しています。105円のところも増えてきていますが、110円に設定している企業も多数。
そうした企業にとって、今回の米ドル/円の上昇は朗報。
結果、110円台は本邦企業から断続的に米ドル売り注文が出され、米ドル/円の上値を抑える材料となっています。

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加えて、上記のように株が軟調な展開、つまりリスクオフの環境下では、資源国通貨を筆頭にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は軟調に推移する傾向があります。

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この環境下では米ドル/円の上値も限定的で、110~111円での戻り売り。

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■豪ドル/米ドルは0.7ドル割れ、豪ドル/円は75円へ続落中
大きな戻りもなく続落しているのがこのコラムで注目の豪ドル。
【参考記事】
●豪ドルはなぜ、急落しているのか? 豪州はゼロ金利へ向かっているとの予想も!?(5月12日、西原宏一)
株が軟調な環境下では、リスクアセットである豪ドル/円は軟調。上値が徐々に重くなってきており、こちらも75円に向けて下落中。

(出所:CQG)
ただ、米国の6月利上げの可能性が台頭してきた中では、注目は豪ドル/米ドルに。
FRBが利上げ方向、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が利下げ方向であれば、必然的に豪ドル/米ドルは軟調に。
豪ドル/米ドルは200日移動平均線が0.7258ドルに位置しており、豪ドル/米ドルをサポートしていましたが、そのレベルを抜けつつあり下落余地が拡大。
豪ドル/米ドルは0.7000ドル割れに向けて続落中。

(出所:CQG)
じわじわと軟化を続けている豪ドル/米ドル、豪ドル/円の動向に注目です。
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