トランプ米大統領によるグリーンランド領有要求問題がもたらすユーロ売り圧力
みなさま、明けましておめでとうございます。
年初にマーケットを驚かせた、トランプ米大統領のグリーンランド領有要求は、単なる威嚇発言にとどまらず、ユーロ/米ドルに複層的な売り圧力をもたらす重大な転換点となっています。
トランプ政権はベネズエラへの軍事攻撃後、グリーンランド取得への圧力を強めています。スティーブン・ミラー大統領次席補佐官はCNNで「グリーンランドは米国の一部であるべきだ」と述べ、さらに「グリーンランドの未来をめぐって米国と軍事的に戦う人は誰もいない」と語りました。
デンマークのフレデリクセン首相が「米国がNATO(北大西洋条約機構)加盟国を軍事攻撃すれば、NATOを含む戦後安全保障体制のすべてが停止する」と警告するほど、事態は深刻です。
欧州主要7カ国が共同声明を発表せざるを得ない状況は、大西洋同盟の亀裂を示しています。
ユーロは中東・東欧・ロシアとの地理的・経済的関係が深く、これらの地域での紛争や危機の際には売られやすい傾向があります。NATO同盟の根幹が揺らぐ中、リスク回避の動きでユーロの上値が重くなっています。
今年のユーロ/米ドルに対するマーケットのコンセンサスは、節目の1.2000ドルを超えて1.2500ドルレベルまで上昇するといったところでした。
ところが、短期的には地政学リスクの高まりで、年初はユーロ売り圧力が優勢となっています。
このユーロの動きだけにかかわらず、過去3年の米ドル/円も年末のコンセンサスと年初の動きに大きな相違があり、マーケットで話題になっています。
2023〜2025年の米ドル/円相場は1月を境に反転
年初はできるだけいいスタートを切りたいと思うのが、すべての為替トレーダーです。
そこで気になるのが、過去3年間の年初の米ドル/円の動きです。
2023年〜2025年の米ドル/円相場は1月を境に、前年後半とはまったく逆の方向に動いています。
たとえば2025年1月。米ドル/円の週足チャートを見ると、2024年後半、米ドル/円は順調に駆け上がり、2025年1月10日(金)に158.87円の高値に到達。マーケットのセンチメントも、米ドル/円は160円超えを目指すというものでした。

(出所:TradingView)
ところが、その後は日米金利差縮小などがテーマとなり、一転して円高に推移。160円超えどころか、4月に139.89円の安値まで急落しました。
その後の米ドル/円は反発を開始しましたが、1月10日(金)高値158.87円はブレイクできないまま現在に至っています。
こうした経緯があるため、自分も含め多くのマーケット参加者は、少なくとも明日(2026年1月9日)の米雇用統計の結果を受けた、マーケットの反応を確かめるまでは、リスクを限定的にしています。
ユーロ/円は昨年12月22日に184.92円に到達して5波動を完了。中期的には強気だが、調整には警戒
もうひとつ気になるのが、欧州通貨のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の動きです。
ユーロ/円の日足チャートを見てみましょう。昨年後半は米ドル/円同様、ユーロ/円も続伸。昨年12月22日(月)に184.92円に到達した段階で5波動を完了。そして、今年(2026年)1月2日(火)に184.42円をつけてからは、前述のグリーンランドの報道の影響もあり、上値の重い展開が続いています。

(出所:TradingView)
私は、ユーロ/円もスイスフラン/円も中期的に強気なスタンスを崩していませんが、年初の日経平均が一時2000円も急騰する中、年初の欧州通貨のクロス円の重さが気になるため、調整には警戒しています。
年初の主要通貨のトレンドを確認するうえで、明日の米雇用統計に注目が集まっています。それでは、本年もよろしくお願いします。
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