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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?

英国がEU離脱なら英ポンドは20%暴落か。
7500万円払えば、いち早く結果がわかる!?

2016年06月15日(水)19:12公開 (2016年06月15日(水)19:12更新)
ザイFX!編集部

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■世論調査ではEU離脱派が一転優勢に!

 「驚きました。先週(6月6日~)からEU(欧州連合)離脱派が急増しているんです。『なんだかんだ、最後には残留で落ち着くだろう』と思っていたのですが、離脱派の勝利が現実味を帯びてきました

 そう解説するのは、ロンドン在住の元・為替ディーラー、「ロンドンFX」こと松崎美子さんだ。

 EU離脱の是非を問う国民投票は6月23日(木)。投票日が近づき、離脱派の追い上げが急だ。

 離脱支持が50%を超える世論調査も増えてきており、松崎さんが言うように「Brexit」(ブレグジット、英国のEU離脱)実現の可能性も高まってきた。

最近の世論調査

■ポンドは世論調査に連動する相場へ

 「6月10日(金)深夜に発表された世論調査では残留45%に対して、離脱55%。10ポイントの大差をつけて離脱が優勢でした。これを見て為替市場では英ポンドが暴落。わずか30分で2円ほど下落しました

英ポンド/円 1時間足
英ポンド/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 1時間足

英ポンドは「世論調査連動相場」ともなっている。6月13日(月)夜には調査会社ICMの世論調査の発表遅延、憶測、誤報、訂正、正しい結果の発表が交錯、英ポンド/円は上下2円幅で乱高下する大混乱の展開となった。

英ポンド/円 15分足
英ポンド/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 15分足

■ブックメーカーの掛け率は依然、残留優勢

 「ただ、世論調査と異なるのがブックメーカー、つまり、賭け屋の掛け率(オッズ)です。

 6月15日(水)現在のオッズを見ると、残留が64.7%、離脱が38.1%と残留優勢。世論調査と違い、自分のお金を賭けたオッズのほうが、より信憑性があると考えることもできます」

 現状は残留優勢だが、オッズからも離脱派の追い上げが明白に現れている。

 「6月第1週には残留が80%以上でした。ところが投票日が近づくにつれ、どんどん差を縮めてきているんです」

ブックメーカーのオッズ推移

(出所:ブックメーカーのオッズをまとめたhttp://www.oddschecker.com/より)

■6月21日(火)には1万人を集めての大規模テレビ討論会

 離脱派が急増している理由はどこにあるのだろうか。

 「移民・難民問題が新聞の一面を飾ることが多かったため、『これ以上の移民・難民の受け入れはしたくない』と考える人が離脱派にまわっていることがひとつ。また、テレビ討論会の影響もあるでしょう」

 日本だと選挙前のテレビ討論会ってさして注目されないし、盛り上がりもしない。でも、イギリスでは大きな影響があるのだという。

 「6月9日(木)に行なわれたテレビ討論会では離脱派のコメンテーターが、残留した場合の経済的負担を理路整然と語っているのが印象的でした。

 『残留が決まれば、EUの今年度の財政赤字200億ユーロのうち、イギリスは24億ユーロの負担を迫られるだろう』と。24億ユーロという金額を見て、『やっぱり離脱ね』と考える人は多かったと思います」

 世論に大きな影響を与えるテレビ討論会。その日程は確認しておく必要がありそう。

 「6月15日(水)にBBCテレビで討論会がありますし、投票直前の21日(火)にはウェンブリー・アリーナで大規模な生放送討論会が予定されています。ここで態度を決める、変える人も多いかもしれません」

 ウェンブリー・アリーナって数々の有名アーティストがライブを行なってきた、日本でいえば日本武道館のような大規模ホール。そこで討論会を開くって盛り上がりぶり、スゴイ。

■6月24日(金)は有給休暇を取るべき!

 運命の6月23日(木)が近づいている。気になるのは当日の様子だ。いつ、どんな情報が出てくるのか。

 「まず言っておきたいのは、本気でトレードする人は『24日(金)は有給休暇を、少なくとも午前半休をとってください』ということ。結果がわかるのは、24日(金)の午前中になるでしょうから」

 英ポンドが大きく変動する瞬間を見逃したくない人は有給申請を!

■ヘッジファンドや大手銀行は独自の出口調査を実施!

 「今回、メディアによる出口調査は行なわれないようです。類似した国民投票がなく、少数のサンプルから結果を予想することが困難なためです。

 ところが、一部のヘッジファンドや大手銀行は出口調査を行なうそうです。彼らは独自の出口調査から結果を予想、日本時間15時の投票開始以降、随時発表していくようです」

 ぜひとも知りたい、その情報。どこで手に入るのか。

 「顧客の投資顧問などだけに公開されるようです。一説には50万ポンドを支払えば、見られるとも聞きます」

50万ポンドって1英ポンド=150円換算で7500万円! それだけ価値がある情報だということか。

 「ただ、ニュースが出ていないのに英ポンドが急騰すれば、『残留優勢なのかも』と市場の動きから類推することはできるでしょう。『早ければ日本時間の20時すぎに最初の出口調査が発表される』とのウワサも出ています」

■大勢の判明は現地時間の深夜3時前後か

 ではオフィシャルな結果はどのような形で出てくるのか。

 「最終的な結果はロンドンの『朝のワイドショーの時間』には判明するとされています。

 日本時間だと6月24日(金)午後ですね。ただ、結果は開票作業が終わった地域から発表されていきます。人口の小さなところは早く出てくるでしょうし、大きなところはあとになる。

 24日(金)の8時すぎから発表され、11時から12時ごろには8割ほどの地域の結果が出揃う。このころには大勢が判明しているはずです」

 まとめると、日本時間6月23日(木)深夜は投票の真っ最中、ヘッジファンドの出口調査による乱高下に気をつけて、24日(金)の朝からは各地域で開票作業が始まるから、その結果で一喜一憂しながら、お昼前には決着、といった流れになる。

 ちなみに投票が終了する、日本時間6月24日(金)午前6時から、セントラル短資FXで松崎美子さんのセミナーが開催される。平日早朝という超異例の時間だけど、現地の情報がダイレクトに手に入るはず。

【参考記事】
どうなるEU離脱!? 英国国民投票締切り直後にロンドンから松崎美子氏が生中継!

英国民投票開票スケジュール

■EU離脱なら英ポンドへ甚大な影響

 EU残留、離脱、どちらになろうとも大荒れは必至だ。

 「より影響が大きいのは離脱となった場合。英ポンドは15%から20%程度は下げるでしょう。

 投票所が閉まる日本時間24日早朝6時に1英ポンド=150円なら15%の下落で127.50円、20%の下落で120円です。1日でそこまで動くかはわかりませんが、初動で10%は落ちるでしょう」

英ポンド/円 4時間足
英ポンド/円 4時間足

(出所:CQG)

 では残留となった場合は?

 「基本的にマーケットは残留を前提に動いているため、離脱となった場合ほどの影響は出ないと思います。上昇幅は10%以内にとどまるのかなというイメージ。ただし、IMM(国際通貨先物市場)で英ポンドのショートがかなり溜まっています。

 それが一斉に切れてくるでしょうから、踏み上げで急騰することは間違いありません」

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

■FX会社の対応にも注意!

 午前半休を申請し、深夜もトレードできるよう、前の日にたっぷり寝ておいたら、もうひとつやっておきたいのがFX会社の対応だ。

 「今回の国民投票はイギリスの命運を賭けたもの。非常に、非常に大きなインパクトがあるイベントです。

 もし、私が銀行で英ポンド担当のディーラーだったらプライスを出したくない。どうしても出さないといけないなら、相当ワイドなスプレッドにします。

 米国の雇用統計が発表された直後、スプレッドが20銭、30銭と広がりますが、今回はそれ以上のスプレッド、たとえば1円、2円と広がることも覚悟する必要があります」

 日本のFX会社のなかには、英国国民投票後の一定期間、英ポンド絡みの通貨ペアは、「原則固定」としているスプレッドの例外とすることを発表している会社も出てきている。

【参考記事】
最悪のシナリオを織り込み警戒する動き。英国国民投票を前にFX会社が注意喚起!

■ロンドンの金融機関は24時間態勢

 そうなると、スイスショックのように「取引自体ができない」なんてことも起きるのだろうか。

 「それは大丈夫でしょう。ロンドンの金融機関も、JPモルガンやモルガン・スタンレー、RBS、ロイズなどがこの日ばかりは24時間態勢にすることを発表しています」

 それでも通常より広めのスプレッドは覚悟して、とくに大口のロットで取引する人は約定の遅延やスリッページなどにも気をつけたほうがいいだろう。

 国民投票に向けて英ポンド絡みの通貨ペアの取引規制を変更するFX会社も増えている。

【参考記事】
最悪のシナリオを織り込み警戒する動き。英国国民投票を前にFX会社が注意喚起!

楽天証券では英ポンド絡みの通貨ペアのレバレッジを最大約10倍に引き下げたし、外為どっとコムGMOクリック証券では最大保有ポジションを大幅に引き下げている。

 利用しているFX会社で、そうした変更がないか、よく確認しておこう。とくにレバレッジの変更があると、いつもなら耐えられる下落で強制ロスカットが発動するかもしれない。要注意だ。

 10年に一度レベルのイベントとなってきた英国民投票。大きな値幅を狙うチャンスだけど、リスク管理に十分すぎるほど注意して、今から戦略を練っておこう。

「議員殺人事件の衝撃が流れを変えた! 英国民投票で核兵器並みの為替介入も!?」へつづく)

(取材・文/ミドルマン・高城泰)


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【参考記事】
取引システムが一新されたあのFX会社で『松崎美子のロンドンFX』をタダで…

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