■ニュースが複合的に重なって、小さな円安トレンドが出現
先週(9月26日~)後半から今週(10月3日~)にかけて円安が進行しています。
決定的な円安要因はありませんでしたが、さまざまなニュースが複合的に重なって、小さな円安トレンドとなりました。

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■OPEC非公式会合の減産合意や年金の株買い・外貨買い
まず、OPEC(石油輸出国機構)の非公式会合での減産合意です。
それに関しては、前回のコラムで紹介したとおりです。
【参考記事】
●OPEC原油「減産」合意でリスクオンだが、とりあえず影響は一時的とみる理由は?(9月29日、今井雅人)
さらに今週に入って、9月決算を終えた後、新しい期に入った年金などが、株買い・外貨買いをしてきています。新規投資の分であると見られます。
■日銀の金融政策は、表面上は金融引き締めか
もう1つは、日銀の金融政策に対する見方です。
日銀は、今までの金融政策を大きく変えて、長期金利の水準をコントロールするという方針を取りました。これをどう考えるかは、見方が大きく分かれています。私自身は、今回の措置は単純な緩和ではないと考えていました。
日本の長期金利は、すでにマイナスの水準になっています。その状態で長期金利をゼロあたりにコントロールすると言っているのですから、表面上はどう見ても金融の引き締めです。
マイナス金利をゼロへもっていくためには、日銀は、毎日購入している国債の量を減らしていく必要があります。これを市場は、テーパリング(量的緩和の縮小)と取るのでないかと考えていました。
また、いよいよ量的金融緩和に限界が来たのではないか?という印象も与えるのではないかと考えました。
■長い目で見れば、金融緩和なのでは? との見方で円安に
実際に、当初市場は、そういう印象を持ったような反応を見せました。
発表当日(9月21日)の値動きをみると、新たな政策が決定された直後こそ102.793円まで買い上げられたものの、海外市場に入ると一転して売り込まれる展開に。結局、100.293円まで急落しました。
つまり、円安には反応しなかったわけです。
【参考記事】
●日銀に手詰まり感。政策に新鮮味なし!年内にドル/円は95円あたりまで下落か!?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
しかし、その後、時間が経過すると、これは逆に言えば長期的に長期金利を低水準に留めておく政策であり、むしろ長い目で見れば金融緩和ではないのか?という見方も出てきました。
それによって、現在、円安が進んでいるという面もあります。
■米利上げ期待が再燃。経済指標に注目が集まる
また、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げは見送られたものの、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、年内に1回は利上げをするというような発言をしており、再び利上げ期待が高まっています。
そのためには、米国の経済指標が好転する必要があることから、経済指標の結果に注目が集まりました。
そんな中、昨日10月5日(水)に発表された米ISM非製造業景況指数9月分は57.1と、予想53.0、前月51.4をともに大幅に上回る結果となり、市場では、さらに米ドル高・円安が進むこととなりました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
このように、矢継ぎ早に出てくる材料が円安を誘導してきたということでしょう。
■ここ2、3日が重要! チャート的にも重要なポイントに
さて、そういう意味においては、今週末10月7日(金)の米雇用統計9月分の結果に注目が集まってきます。市場予想は、失業率が4.9%、非農業部門就業者数が17.0万人の増加となっています。
また、米ドル/円は、チャート的にも重要なポイントに差し掛かっています。
一目均衡表を見ると、雲の上限を抜けつつあるように見えます。2016年は、この雲に上値を抑え込まれてきているので、これをしっかり抜けてくるのかどうか? ここ2、3日が重要となってくるでしょう。
一方、MACDを見ると買われ過ぎゾーンに突入していますが、2016年は、この状態になるたびに反落しています。
【参考記事】
●9月米利上げの可能性は、ほぼなくなった。米ドル/円は上がりようがなく、戻り売り!(9月15日、今井雅人)

(出所:ヒロセ通商)
私個人的には、これ以上、円安に向かう理由が見つからないのですが、それも指標の結果次第ということになるのでしょう。繰り返しになりますが、ここ2、3日が重要となってくるはずです。
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