■OPECが臨時総会では、8年ぶりに原油「減産」で合意
OPEC(石油輸出国機構)は、9月28日(水)、臨時総会を開催しました。
これに先立ってさまざまな折衝や個別の会談なども行われていたようですが、サウジアラビアとイランの利害の対立で、事前の予想では、合意は困難ではないかとみられていました。
しかし、予想に反して、加盟14カ国の原油生産量を日量3250万~3300万バレルに制限することで一転、合意しました。
OPEC加盟国・14カ国は2016年8月時点で、日量3324万バレルを生産しており、今回の合意は「減産」の意味合いがあるということです。
OPECが減産するのは、金融危機直後の2008年以来、約8年ぶりのこととなります。
■原油「減産」合意を受けて、マーケットはリスクオンに!
この決定を受けて、昨日9月28日(水)のNY市場では、WTI原油先物価格が急騰し、それが契機となって各市場でリスクオンの動きになっています。
(出所:CQG)
日経平均も29日(木)は、一時290円以上、上昇し、為替市場では円安が進行しています。
(出所:株マップ.com)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 30分足)
どうして、原油価格が上昇するとリスクオンになるのか? やや不可解ではありますが、原油価格の下落によって新興国の景気が低迷し、それが世界経済にマイナスの影響を与えている、という認識が、市場の中には根強くあるのかもしれません。
■具体的な内容を詰めるのは、2016年11月のことなので…
実際には、2016年11月の総会で具体的な内容を詰めるという運びになるので、かなり先の話であります。
今後の折衝次第では、各国の利害関係が対立するなど、不安定な状況になる可能性も残されており、とりあえず、影響は一時的と考えておきたいところです。
■米ドル/円、100円割れを試したが、下へは抜けず
一方で、この決定がなされる前、米ドル/円は、何度か100円割れを試しにいったのですが、結局、下に抜くことができませんでした。
直近では9月27日(火)のアジア時間に、100.081円まで売り込まれたものの、その後は、次第に下値を切り上げています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
いろいろと市場にヒアリングをしてみたところ、短期の投機筋は下に抜かせようと米ドル売りを何度も仕掛けていたものの、100円近辺には、日本の実需の買い注文とオプション関連の買いがかなり並んでいたために、下に抜くことができなかったようです。
短期的には、少しドルショートになっているようでありますから、それが巻き戻すことで米ドル買いの勢いが少し強まるかもしれませんが、そういった動きが一巡すれば、またレンジ相場に戻るという展開になるのではないでしょうか。
ところで…
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