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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

トランポノミクスが「株高・円安」を促進!?
ドル/円は押し目買い継続、次は109円へ!

2016年11月14日(月)16:23公開 (2016年11月14日(月)16:23更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■トランプの経済政策は株高・円安を促進する

米大統領選、トランプさんの当選も驚きましたが、それ以上に驚いたのが値動き。


「トランプさんなら100円割れ」がコンセンサスだったのですが、安値は101.20円。101円も割りませんでした。

【参考記事】
トランプ氏は不確実性の塊! 「もしトラ」が実現すれば米ドル/円は100円割れも!(11月7日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

Brexit(英国のEU離脱)の記憶が強かったため、アジア勢を中心に「トランプなら株安・円高」と思い込んでいました。


ところが、アメリカ勢はそこまで株安・円高のビューを持っていたわけではなかったようです。

「トランプなら株安・円高」の思い込みが強すぎましたね。

トランプさんの政策は、細部はこれからつめていくのでしょうが、「積極財政・インフラ投資1兆ドル・大幅な減税」といったところ。


ひとことでまとめれば、「トランポノミクス」(※)とはリフレ派に近い。株高・円安を誘発しやすい政策ですから、そこから考えれば当然の値動きだったのかもしれませんね。

(※編集部注:「トランポノミクス」とは、ドナルド・トランプ氏とエコノミクス(経済学)を合わせた造語で、トランプ氏が掲げる経済政策のこと)

【参考記事】
レーガノミクス再来か。トランプ次期大統領のトランポノミクスのもと、ドル/円は109円へ(11月10日、西原宏一)


■リスクイベント終了で円安トレンドへ回帰

ナスダック市場を中心にIT企業の株価が崩れて懸念する向きもありますが、トランプへの期待でIT関連からインフラ関連へと資金が動いただけ。気にする必要はなさそうです。


ひとつ気になるとすれば、米国債利回りの上昇。10年債利回りは先週、11月11日(金)、2.15%と10カ月ぶりの高水準に達しました。

米長期金利(米10年物国債の利回り) 日足
米国10年物国債利回り 日足

(出所:CQG)

積極財政による財政悪化を懸念した「悪い金利上昇」だとする声も出ています。そうだとすると、株式市場にも悪影響が出てきそうですが…。

株高についてはリスクイベントを前にキャッシュに戻していた投資家が帰ってきた、ということもあるのでしょう。


利回り上昇がいいか悪いかはわかりませんが、日本国債利回りがゼロのまま米国債利回りが上昇するなら、日米金利差の拡大により当然、米ドル/円は上昇することになる。


米大統領選という大きなリスクイベントを越えたことで、再びもとのトレンド、つまり、株高・円安へと回帰していくのでしょう。

世界の通貨VS円 日足
世界の通貨VS円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足

ただ先週(11月7日~)後半はバリアオプション(※)の影響で107円が重かったですね。

(※編集部注:オプションには「バニラ」と「エキゾチック」の2種類がある。上記の「バリアオプション」は、エキゾチックオプションのひとつで、権利行使価格に一度でも到達してしまえば、そのオプションは消えてしまうというような特殊なルールが加えられている)

【バリアオプションに関する参考記事】
FXの勝ち方講座 最終回「オプションバリア」近辺が狙い目!

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

バリアオプションはもうなくなりましたが、107円前後には日本企業の売りオーダーが控えているようですね。

 

それでも今週(11月14日~)には107円を上抜ける場面がありそう。

(※編集部注:この対談は11月13日(日)に行なっています。11月14日(月)の東京時間に米ドル/円は107円台に乗せると、7月高値107.50円も上抜けて、一時107.60円台まで上昇しました)

次のターゲットはヘリマネ騒動があった7月の高値107.50円。それに125円と99円で引いたフィボナッチの38.2%である109円あたりですね。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:CQG)

ただ、あまりに米国債利回りが急騰すると株価が崩れてくる。

 

それは米ドル/円にも悪材料となるので、米国債利回りの上昇スピードには注意したいですね。

米長期金利(米10年物国債の利回り) 日足
米10年物国債利回り

(出所:CQG)

米国債利回りも株価もジリジリ上がってくれるのが、いちばんいい展開ですね。

■OPEC総会での原油減産合意は難しそう

もうひとつ懸念材料を挙げるとすれば今月末、11月30日(水)のOPEC(石油輸出国機構)総会。


原油の減産合意は難しそうで、WTI原油が30ドル台までずるずる下げてしまうとリスクオフ要因。

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足

(出所:CQG)

それに米ドル高が急に進みすぎると、米国サイドから米ドル高牽制発言みたいなものが出てくるかもしれないですね。

トランプさんの米ドル高牽制については外交カードのひとつにとらえているフシがあるので、さほど気にしていませんが今週、11月17日(木)、安倍さんとの会談がセッティングされています。


為替についての発言には一応、気をつけておきたいですね。同日にはFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の議会証言も控えています。


■鉄鉱石など上昇で、豪ドル高にも期待したくなるが…

トランポノミクスによるインフラ投資への期待から銅、鉄鉱石、石炭なども急上昇しています。

鉄鉱石 日足
鉄鉱石 日足

(出所:CQG)

そうなると豪ドル高にも期待したくなりますが、西原さんはどう見ていますか?

普段ならハードコモディティの上昇とともに豪ドルも上がるのでしょうが、今は米ドル高の影響が大きい。


米ドル/円の上昇につられて豪ドル/円は上がるのかもしれないですが、一方で豪ドル/米ドルは下がるので、豪ドルが主役という感じではない。

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足

その意味では、今はリスクオン相場ではなく、米ドル高相場なのでしょう。今週(11月14日~)は引き続き、米ドル/円の押し目買い。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(出所:CQG)


■超長期トレンドライン割れでユーロ/米ドル急落も

それにユーロ/米ドルにも注目したい。2000年安値から引いた超長期トレンドライン割れをトライしています。


非常に神経質な位置で、ここを割ってくると大きく下げそうな気配もある。

ユーロ/米ドル 月足
ユーロ/米ドル 月足

(出所:CQG)

メルマガ「FXトレード戦略指令!」で伝えたようにすでにユーロ/米ドルは少し売っていますが、トレンドラインを明確に割ってくるかどうか、注視していきたいですね。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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