■ブラックスワンは「第二次プラザ合意」!?
だからこそなのか、黒田日銀総裁も先週(12月19日~)の記者会見では、11月からの急激な円安に対して「今年2月時点に戻っただけ」と、何の警戒感も示しませんでしたよね。
むしろ懸念が高まっているのは米国側の米ドル高警戒。
来年(2017年)の「ブラックスワン」(※)として、「第二次プラザ合意」が懸念されています。
米国内の雇用に悪影響を及ぼすようなレベルまで米ドル高が進めば、何らかの米ドル高是正策が浮上するかもしれません。まだ先の話でしょうが…。
(※黒い白鳥のようにありえないと思われるが、実際に起きるとインパクトの大きなイベントのこと)
【参考記事】
●2017年のドル/円は調整あっても130円へ! リスクオフの円高が継続しないワケとは?(12月22日、西原宏一)
目先で調整があるとしたら1月20日(金)の米大統領就任式前後、でしょうかね。
あるいは年末を控えた今週(12月26日~)とする見方もありますね。
来年(2017年)の「130円・パリティ(1.0000ドル)」に向けた中期戦略として米ドル/円は買い、ユーロ/米ドルは売りですが、越年ポジションは高値を追わず、押し目を待ったほうがよいでしょうね。
■年末年始はスプレッドの拡大に要注意
気になるのが、先週、12月19日(月)の対談でも話した豪ドルの下落。
【参考記事】
●豪ドルを買う理由がなくなってしまう!? 米ドル/円は「買い遅れ組」の動きに注目!(12月19日、西原宏一&大橋ひろこ)
とくに豪ドル安の材料も見当たらないため、中国人民元の下落に引きずられているのかなと思います。

(出所:Bloomberg、通常の通貨ペアは米ドル/中国人民元だが、逆転して表示させている)

(出所:Bloomberg)
中国人民元が下落すれば金に流れる資金もありそうですが、一方では中国では金の輸入に制限がかけられているとの話が出ていて、金価格は軟調。

(出所:Bloomberg)
金の代替として買われているのがビットコインなのか、米ドル建ては1000ドルに近づいており、円建てでは10万円を越えてきました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/米ドル 4時間足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 4時間足)
米ドル高なら金は苦しいでしょうしね。
まとめると、今週(12月26日~)は調整に警戒しながら、来年(2017年)の米ドル高に向けて押し目があれば米ドル/円の買い、あるいはユーロ/米ドルの売りを仕込んでいきたいところ。
ただ、年末年始は市場が薄くなる。スプレッドも拡大しやすいですから、タイトなストップだとすぐについてしまう可能性が高まります。ムリにトレードする必要はないでしょう。
早いもので、この連載が始まってもう半年が経ちました。いつもご愛読、ありがとうございます。
2017年の更新は1月9日(月)からとなります。来年もよろしくお願いします。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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