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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

120円が見えてきた! 3月には跳ね返された
ドル/円の115円台、今回はブレイク濃厚!

2017年05月11日(木)16:27公開 (2017年05月11日(木)16:27更新)
西原宏一

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■米ドル/円は115円台に向けてじわじわ回復

 みなさん、こんにちは。

 米ドル/円は前回のコラムでご紹介した115円台に向け、じわじわと回復しており、現在、114円台前半で推移しています。

【参考記事】
仏大統領選を無事通過してリスクオン再開。米ドル/円は115円に向けて反発する公算大(4月27日、西原宏一)

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

■過去2カ月のマーケットを振り返る

 ここで、ゴールデンウィークを挟んでのマーケットを振り返ってみます。

 過去2カ月、マーケットはグローバルなリスクオフ要因に振り回される展開。

 フランス大統領選挙でのルペンリスクや東アジアの地政学リスクが高まるにつれて、投資資金はどうしてもリスクオフに備えざるを得ない展開でした。

 結果、米ドル/円も安値圏で推移。

【参考記事】
地政学リスクはシリアから東アジアへ! 北朝鮮有事は円高要因か? 円安要因か?(4月13日、西原宏一)
今週はセル・ザ・ファクトのユーロ安に注意。豪ドルが示すリスクオン相場の盲点とは?(5月8日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 日経平均も上値が重い展開でした。

 それが、東アジア情勢の沈静化で、米ドル/円も少しずつじり高に推移しており、本稿執筆時点で、114円台前半で推移しています。

■米ドル/円反発の要因は3つ

 米ドル/円反発の要因はまずドル金利の反発。

米長期金利(米10年物国債利回り)
米長期金利(米10年国債利回り)

(出所:Bloomberg)

 そして、2万円近くまで急騰している日経平均の動向。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:Bloomberg)

 それに加えて、英ポンド/円の上昇。

このコラムなどでも紹介させていただいたように、昨年(2016年)のBrexit(英国のEU離脱)決定以降、英ポンド/円と米ドル/円の相関は極めて高いものがあります。

【参考記事】
仏大統領選を無事通過してリスクオン再開。米ドル/円は115円に向けて反発する公算大(4月27日、西原宏一)

 その英ポンド/円は本稿執筆時点では、147.80円と堅調推移。

 これは、英ポンド/円の重要なレジスタンスである75週移動平均線の147.31円を超えてきています。

英ポンド/円 週足
英ポンド/円 週足

(出所:Bloomberg)

■米ドル/円をサポートする新たな通貨ペア登場

 そして、今週(5月8日~)になって、英ポンド/円に加えて米ドル/円をサポートする通貨ペアが増えています。

 それは、ユーロ円。

 ユーロ/円はフランス大統領選挙での、ルペンリスクが高まるに連れて、緊張感が高まり、一時急落。

 4月17日(月)には、114.85円の安値に到達しています。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足

 それが、4月23日(日)のフランス大統領選挙、1回目の投票結果はマーケットが一番好感する「マクロンVSルペン」という結末となり、反発開始。

【参考記事】
仏大統領選を無事通過してリスクオン再開。米ドル/円は115円に向けて反発する公算大(4月27日、西原宏一)

 そして、5月7日(日)のフランス大統領選挙の決選投票は、予想どおりマクロン候補が圧勝しました。

 その結果を受けて、ユーロ/米ドルや、ユーロ/円といったユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)はセル・ザ・ファクトで急落しました。

 ユーロ/米ドルやユーロ/豪ドルは、その後も上値の重い展開が続いていますが、マーケット関係者を驚かせたのが、ユーロ/円の底堅さ。

 ユーロ/円は一時122.99円まで急落しますが、その後、再び124円台まで反発しています。

ユーロ/円 1時間足
ユーロ/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足

 ユーロ/米ドル自体は1.1000ドル台の明確な回復に失敗し、本稿執筆時点で1.0870ドルで推移していますので、ユーロ/円の反発は、米ドル/円の上昇が急激であることを意味します。

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 コモディティが弱いため、豪ドル/米ドルも下落していますが、豪ドル/円が底堅いのも米ドル/円の上昇が急激であるため。

 フランス大統領選挙を終え、リスクを嫌った投資資金がいっせいにマーケットに回帰し、日経平均も2万円近くまで反発しました。

■米ドル/円は120円へ向けて上値余地拡大

 米ドル/円は114円台前半で堅調に推移しており、米ドル/円の次のレジスタンスは、115円台ミドル。

 先月(4月)の米ドル/円が115円台の回復に失敗したのは、このコラムでもご紹介させていただいたとおり。

【参考記事】
米利上げ後の米ドル安継続、米ドル/円は110円割れへ。下値模索はなぜまだ続く?(3月23日、西原宏一)

(1)3月15日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)での米国の利上げはマーケットが100%織り込んでいたため、セル・ザ・ファクトでの米ドル売りが持ち込まれたこと

(2)115円台にある巨大なオプションが米ドル/円の115円台を重くしたこと

 まず、米利上げに関しては、次回6月13日(火)~14日(水)に開催されるFOMCでの米利上げを現在、マーケットが織り込んでいる過程なのでこれは米ドル買い要因。

 問題は115円台のオプションです。

 これに関しては、マーケット関係者にヒアリングしているのですが、いまのところ、3月のような巨大なオプションのウワサは聞こえてきません。

 この2点から、今回の115円の意味は心理的な要因が大きいだけであり、ブレイクする可能性が濃厚。


 あとは、日経平均が2万円台にしっかり乗せてくれば、米ドル/円も115円台を回復して、次は前回高値の118円が見えてきます。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 フランス大統領選挙が無事に終了し、リスク環境が好転。

英ポンド/円のみならず、ユーロ/円も底堅くなり、米ドル/円をサポート。

 日経平均も2万円回復目前となり、120円へと上値余地が拡大した米ドル/円の動向に注目です。


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