■恐怖指数は1993年以来の低水準まで低下
今週(5月15日~)の材料でいえば、気になるのはコミーFBI長官の解任。
ヘルスケア法案の上院通過には民主党議員8人の賛成が必要となるのですが、民主党の反感を買うと協力を得にくくなりそう。
ポジティブな材料ではありませんよね。なので、今週(5月15日~)は多少、調整があるのかもしれないですが、大きく下げるようなイメージはあまりないですね。
FBI長官の解任が伝わると株価は下がりましたが、DAX(ドイツ株価指数)は最高値を更新しました。

(出所:Bloomberg)
VIX指数(恐怖指数)も1993年以来の低水準と、下がるところまで下がっていて「総楽観」という感じです。その割に米国株は重たいですが…

(出所:Bloomberg)
総楽観というほどの感じはなく、4月に集中していたリスクイベントに備えて買われていたものが巻き戻されているのかなと思います。
DAXについては、フランス大統領選挙に備えて買い控えていた投資家が出てきていることもあるのでしょう。ユーロ/円も同様で、リスクオフに備えて売られていたポジションが、まだ相当、残っているように感じます。
【参考記事】
●仏大統領選を無事通過してリスクオン再開。米ドル/円は115円に向けて反発する公算大(4月27日、西原宏一)
●セル・イン・メイで暴落イメージの5月だが、なぜ、今年は上昇を警戒すべきなのか?(5月1日、西原宏一&大橋ひろこ)
週足一目均衡表の雲の上抜け、IMMポジションが買いに転じたこと、リスクオフで売られていたポジションの巻き戻し ―― 材料の多いユーロ/円はおもしろそうですね。
■「一帯一路サミット」はコモディティ市場の後押しになるか
コモディティ市場の弱さが気になりますが、今週(5月15日~)はどうですか?
注目されているのは、中国で15日(月)まで開催されている「一帯一路サミット」。29カ国の首脳のほか、IMF(国際通貨基金)や世界銀行などのトップが参加しており、習近平・国家主席は「一帯一路」の推進に向けて、1240億ドルの投資を表明しました。
これが材料視されると、原油や銅などのコモディティ市場にはポジティブだと思います。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
1240億ドルは大きいですね。コモディティ市場が好調なときなら、セル・ザ・ファクトで反落するのかもしれないですが、今のように軟調なときに出てくると、追い風となる可能性もある。
こうしたことを考えると、今週(5月15日~)の戦略は米ドル/円、それにユーロ/円の押し目買いでいいのではないでしょうか。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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