■イベント後の上値を切り下げていく米ドル/円
気になっているのは米ドル/円の上値切り下げ。
今年(2017年)はリスクイベントが多く、イベントをこなすごとに買っていくのが正解だったのですが、徐々に上値が切り下がっています。
5月はフランス大統領選挙後に114円をつけましたが、新たな四半期に入った6月初旬は本邦勢の買いが入っても112円に届かず、先週(6月5日~)は8日(木)のイベントを通過しても110円台。
中期的には上だと思いますが、その前にいったん調整が入るのかなと考えています。

(出所:Bloomberg)
ゴールドも1300ドル手前で足踏みしています。FOMCを前に様子見なんでしょうね。
ゴールドが1300ドルを超えてくると、米ドル安が加速するかもしれないですね。

(出所:Bloomberg)
■「FANG」銘柄の下落が続けば米ドル/円の調整も深まる
先週末、6月9日(金)には米国株市場でナスダック総合指数が急落しました。
新型iPhoneの機能への懸念や、ゴールドマン・サックスのレポートが原因だとも言われていますが……。

(出所:Bloomberg)
注目しているのが「FANG」(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの頭文字。アップルを加えて「FAANG」とする場合もある。いずれも読み方は「ファング」)。
【参考記事】
●米国株と米国債、米経済はどちらを反映? レイ・ダリオ氏の警告。米ドル急落に警戒!(6月8日、西原宏一)
米株高を牽引してきたニューエコノミーの象徴的な銘柄群ですが、6月9日(金)に売り込まれました。
半導体大手であり自動運転などでも注目されているエヌビディアに至っては6%以上の急落です。

(出所:Bloomberg)
空売りファンドのシトロン・リサーチがエヌビディアの株価を割高とするレポートを発表したことも急落の原因だったようですね。
エヌビディアのGPU(画像処理半導体)はビットコインなど暗号通貨のマイニング(採掘)にも使われるため、関連銘柄として物色されたこともあります。
最近では株価が上がっても米ドル/円は上がりませんが、株価が下がった場合には米ドル/円も下がるのでしょう。
「株価下落→米金利低下→米ドル/円下落」といった波及経路ですね。

(出所:Bloomberg)
そのためFANGを始めとする米国株の下落が続くようなら、米ドル/円を売っていきたいと思います。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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