■すぐにハードフォークはなさそう…。安心感で反発?
こうしたスケーラビリティ問題をめぐる一連のイザコザを振り返ってみると、ビットコイン相場は、「UASF」でSegWit導入後に、もしかしたらビットコインのハードフォークが起こってしまうのでは? との懸念を背景に6月以降ジリジリ下げていたものが、先週末からドバっと急落。
一部で、ビットコインのハードフォーク懸念を受けて、事前に円や米ドルなどの法定通貨に換金したり、イーサリアムやRipple(リップル)など別のアルトコインに退避させるみたいな動きも出ていたようですし、ビットコインのリスク材料は、たんまりとあった中での急落だったワケです。
もともと、アホみたいな急ピッチで上昇を続けてきていましたから、相場的には、いつ調整してもおかしくないでしょう…という感じでしたが…。
しかし、このままグダグダに崩れていくかと思いきや、「SegWit2x」優勢の報を受け、とりあえず、すぐにビットコインがハードフォークされることはなさそう…という安心感を得て、なんとか反発したように見えます。意外と底堅い…ビットコイン。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
とはいえ、「SegWit2x」は、一定期間経過後にハードフォークさせることが盛り込まれた案らしいので、いつかは必ずハードフォークの問題にブチ当たるんじゃない? みたいな気がしないでもない…。
「UASF」だって8月1日(火)に「SegWit」を導入するって言ってるワケで、これと「SegWit2x」の関係性はどうなるの? とかも気になりますし…(いろいろ見てみましたが、はっきりしたことが判明せず…)。
とりあえず、7月21日(金)の「SegWit2x」リリースや、もともと言われていた運命の8月1日(火)を経てビットコインがどうなるのか? 注目するほかありません。
ビットコインを保有するいちユーザーが混乱に巻き込まれないためにできることは、先ほども、ちらっと出てきましたが、事前に円や米ドルなどの法定通貨に換金したり、イーサリアムやRipple(リップル)など別のアルトコインに退避させるみたいなことが考えられます。
情報が錯そうしている中ではありますが、仮想通貨取引所などから出される情報をチェックし、騒動の最新情報を確認しておくとともに、もしもビットコインがハードフォークされてしまった場合などの混乱に備える準備も怠らないようにしておいてください。
■仮想通貨事業者協会、ビットコインの受入れと引出し停止へ
ちなみに、以前、ザイFX!でも取り上げた「日本仮想通貨事業者協会(JCBA)」(※)は、7月18日(火)夕方、「8月1日に予期されるビットコイン分岐危機に向けた対応について」とするお知らせを公開しました。
(※「日本仮想通貨事業者協会」とは、もともと銀行や証券会社、FX会社などの金融機関が日本国内で仮想通貨ビジネスを行うにあたり、必要な情報の調査・研究、情報交換などをすることを目的として、2016年4月に設立された一般社団法人。自主規制団体を目指している)
【参考記事】
●噂の仮想通貨勉強会にザイFX!が潜入。ビットコインETFは認可されず一時暴落!

同協会のお知らせによると、「UASF」がSegWitを導入する8月1日(火)、「ビットコイン・プロトコルの分岐が発生する可能性が高いと予想されております」とのこと。
これに伴い、日本仮想通貨事業者協会に加盟する仮想通貨交換業者13社は、「一時的にビットコインの受け入れ及び引出受付を停止することを決定」したそうです。
<ビットコインの受入れと引出しの受付停止日程>
受付停止 : 2017年8月1日(火)00:00
受付再開 : 未定
※状況に応じて、会員の判断により受付停止日時を繰り上げる場合がある
※8月4日(金)16:00までにビットコインの受入れおよび引出しの再開メドに関する更新を行う予定
この対応を取り入れる仮想通貨交換業者は、以下のとおり。
<ビットコインの受入れと引出しの受付停止を行う業者>
ビットバンク株式会社
株式会社ビットポイントジャパン
QUOINE株式会社
株式会社フィスコ仮想通貨取引所
コインチェック株式会社
BTCボックス株式会社
テックビューロ株式会社
GMO-Z.comコイン株式会社
株式会社CAMPFIRE
ビットトレード株式会社
バイクリメンツ株式会社
株式会社東京ビットコイン取引所
みんなのビットコイン株式会社
ここに、国内最大手の仮想通貨取引所・bitFlyer(ビットフライヤー)の名前はありません…。実は、ビットフライヤーは日本仮想通貨事業者協会の会員でもありませんので、独自に対応する感じでしょうか…。
また、Kraken(クラケン)は、協会の会員でもある大手仮想通貨取引所であり、ザイFX!でも同社からレート提供を受け、ビットコインチャートを掲載していますが、上記「ビットコインの受入れと引出しの受付停止を行う業者」13社の中には入っていません。協会員であったとしても、全社が全社、完全に足並みを揃えて対応するというワケではないようです…。
それにしても、ビットコインの受入れと引出しの受付再開日が未定って…。もしかしたら、とんでもない混乱に陥る可能性があるってことかも? 不安になります…。
ということで、何やら難しい話でチンプンカンプンという感じも受けますが、ひとまず、ビットコインを取引している人は、各仮想通貨取引所などから出される情報をチェックし、騒動の最新情報を確認しつつ、ビットコイン関連の混乱に備える準備も怠らないようにしておいてくださいね。
また、まだ自主規制団体としてお上に認められたワケではありませんが、その最有力候補っぽい日本仮想通貨事業者協会からのお知らせもチェックしておいた方が良さそうです。先ほどお伝えしたビットフライヤーを除けば、主要な仮想通貨取引所はだいたい加盟しています。最新情報は、協会のウェブサイトなどでチェックするようにしてくださいね。
本件、続報が入りましたら、また、お伝えしたいと思います。
本記事公開後のビットコイン相場とビットコインの分裂問題については、以下の記事もご覧ください。
【参考記事】
●BIP91っていったい何? 7月23日(日)が注目なワケは? どうなるビットコイン!?(2017年7月21日)
(ザイFX!編集部・向井友代)
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