■本日が注目の7月21日(金)ですが、ビットコインは…?
先日、7月14日(金)~16日(日)にかけてビットコイン価格が急落…、その後、17日(月)には急反発しているとお伝えし、もともと、注目! と言われていた8月1日(火)に加え、7月21日(金)も注目した方が良さそうだ、とお伝えしました。
【参考記事】
●ビットコインはなぜ、急落してから急反発?8月1日だけでなく7月21日も注目の理由は?
※情報が錯そうしており、記事には一部、確証が持てない内容や表現も含まれています
本日が、その7月21日(金)です。
ビットコイン相場はどうなっているか? というと…?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 4時間足)
ご覧のとおり。一時32万円を超える水準まで上値を伸ばし、その後は高値圏でもみ合いを続けている状況。
背景にあるのは、やはり懸念されていた8月1日(火)のハードフォークが回避される可能性が、上記【参考記事】で紹介した時よりも、さらに高まったからだと思われます。
■もう一度、ここまでの流れをざっと復習しておきたい
ここでは、先日も紹介しましたが、あの時よりも情報を整理できた部分がありますので、改めてここまでの流れをざっくりお伝えします。
とはいえ、まだまだ情報は錯そうしており、かつ次々とアップデートされていく感もあり、何が正しく何が間違いなのか? 100%の確証を持ってお伝えできないところがありますので、その点はご容赦ください(近々、専門家への取材などを通して正しい情報や表現を洗い直したいと考えていますが、今日のところは取り急ぎ…)。
ということで、あらっぽくてごめんなさい…ですが、本題に入ってしまいます。復習になりますが、まず、今回の騒動の大元にあるのは、ビットコインのスケーラビリティ問題というもの。
スケーラビリティ問題は、ビットコインの取引量(トランザクション)の急増によって、既存のブロックサイズだと取引データの処理が追いつかず、送金が遅延するなどの不具合が生じるという問題です。
【参考記事】
●なぜ、ビットコインは急上昇してきたのか? 8月1日は運命の日! 暴落の可能性も!?
●ビットコインはなぜ、急落してから急反発?8月1日だけでなく7月21日も注目の理由は?
なんとかしなければ! ということで出てきたのが、Segwitを提案するBIP141というもの。
BIPとは、Bitcoin Improvement Proposalsの頭文字を取ったもので、Improvementは「改善」、Proposalsは「提案」です。つまり、「ビットコイン改善案」みたいな感じでしょうか。
ビットコインの改善案は、BIP○○と番号が振られており、Segwitについて書かれた改善案が、BIP141というものになります。
そして、segwitは、以前、「解決手段として有望視されているのが「SegWit」(セグウィット)。ブロックに記述する『署名』(Witness)を、『隔離』(Segragated)することで1ブロックの容量を実質的に拡大させる方法」とお伝えしたとおりのもの。この改善を行うことで、スケーラビリティ問題は改善されることになります。
■BIP141(segwit)は、基本、みんな賛成しているらしい
ビットコインの発展を望むならば当たり前ですが、スケーラビリティ問題はなんとかしなければならないワケで、基本的にsegwitが提案されたBIP141には、ほぼみんな賛成だったみたい。
揉めたのは、それをどうやってアクティベート(有効化)するのか? という方法論の部分です。
他にもあるのかもしれませんが、ここではよく見かける3つを紹介。なんか、ややこしいのですが…この方法論にも、BIPの番号が振られています。方法論も、それぞれがビットコイン改善のための提案という、くくりになるワケでしょうかね。
<BIP141(segwit)をアクティベートする方法案>
・ BIP9
・ BIP148
・ BIP91
■「BIP9」は95%の賛成を集めればsegwitが有効化されるが…
まず、この中で一番歴史がありそう? なのがBIP9というもの。2016年10月からマイナーによるシグナリング(本来の意義は違うみたいだけど、実質的には投票行動みたいなこと)が開始された案件で、2017年11月15日までにシグナリングが95%になるとsegwitがアクティベートするというもの。
そして、BIP9自体は、ビットコインの分岐を前提とせず、ソフトフォークさせることでsegwitのアクティベートを実行しようとする案です。
実際には、2016年10月からシグナリングがはじまったものの、俺らはハードフォークしたいし! みたいな勢力が台頭したせいもあって、遅々として賛成の比率を高められず…。このままでは、いずれ期限切れを迎え、廃案という道を辿りそう…みたいな空気になったワケ。
スケーラビリティ問題もどんどん深刻化していく中で、segwitを推し進めたいと考えている人たちは、さっさとsegwitしちゃおうよ! ということで、先ほど「BIP141(segwit)をアクティベートする方法案」で紹介した残りの2案が登場することになります。
■「BIP148」も「BIP91」は、ほぼ同じ提案内容。違いは?
「BIP148」も「BIP91」も最終的な部分でBIP9を踏襲しているのですが、その構造は二段構え。「BIP148」や「BIP91」をアクティベートすることで、強制的にBIP9で採用されているversion bits1のシグナルを発信させようとするものになっています。
どうやって強制的にシグナルを発信させるか? というと、この2案に共通している点でもあるのですが、要は、BIP9で採用されているversion bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にしてしまおうというのです。
ただし、この「version bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にする」という決め事をアクティベートするタイミングが、BIP148とBIP91では違います。
BIP148は、フラッグデイト方式というものが採用されており、ある決められた期日がきたら強制的に上述の決め事がアクティベートされるようになっています。実はこれが、前回の記事でもお伝えした、いわゆる「UASF(User Activated Soft Fork)」というもの。
決められた期日というのが、くだんの8月1日(火)だったワケです。
【参考記事】
●なぜ、ビットコインは急上昇してきたのか? 8月1日は運命の日! 暴落の可能性も!?
●ビットコインはなぜ、急落してから急反発?8月1日だけでなく7月21日も注目の理由は?
「BIP91」の方では、version bits 4のシグナルを採用し、それが80%になったら上述の決め事、「version bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にする」をアクティベートするというしくみになっています。
繰り返しになりますが、いずれの案も「version bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にする」ことで、その後、BIP141(segwit)がアクティベートされることを目的とするもので、この意味では、ほぼ同じ提案ということができそうです。
■BIP148が有力視されていたけど、それがBIP91に変わった
もともと、BIP148(UASF)が有力視されていましたので、この案がアクティベートされる8月1日(火)に注目が集まっていたワケですが、それはなぜかと言うと、状況次第でビットコインのブロックチェーンが2つに分岐し、元々のビットコインと新しいビットコインの2つに分裂するかもしれなかったから。要はハードフォークが起きる可能性があったからです。
詳しく突き詰めると大変なので省略してしまおうと思いますが(これ以上ムリやぁ…)、ここ最近、大手メディアを含め、ビットコインが分裂するかも!? みたいな話でもちきりだったのは、このためです。
その後もいろんな勢力が台頭し、まあ…いろいろあったみたいですが、最終的に、マイナーたちの支持をもっとも集めたのが、“支持率”が80%になったら「version bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にする」という決め事をアクティベートするBIP91でした。
この“支持率”は、ネット上でよく紹介されていた、あるサイトで確認することができますが、ここ数日でどんどんシェアを伸ばし、7月21日(金)18時現在、BIP91は93%という数字になり、ロックインされた状態となっています。

(出所: https://www.xbt.eu/)
ビットコイン相場は、もしかしたらビットコインが分裂するかもしれない案であるBIP148ではなく、BIP91によって、その後、segwitがアクティベートされるのであれば、まぁ大きな混乱はないだろうということで、リスク懸念が後退し、大きく上昇したものと思われます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 1時間足)
BIPが実際にアクティベートされるまでのステップとして…
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