■FOMCで年内の追加利上げ観測が後退
7月25日(火)~26日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場予想どおりにFF(フェデラル・ファンド)レートの誘導目標レンジが据え置きとなり、今回はイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見がない会合だったため、声明文に注目が集まりました。
前回、6月FOMCの声明文では、バランスシートの縮小開始時期は「年内」と表現されていましたが、今回は「比較的早期に」へ変更されました。
これにより、市場では9月からバランスシートの縮小が開始されるのではないか、という予想が多くなっています。
一方、インフレに関する表現は前回よりハト派となり、年内の追加利上げ観測が後退しています。
【参考記事】
●売り材料のないFOMC後になぜ米ドル安? 気をつけろ! それは相場反転のサインだ(7月28日、陳満咲杜)
●米ドルを買う気になれない理由はどこに? ドル/円は引っ張り合いでレンジ長期化!?(7月27日、今井雅人)
そのため、FOMC後は米ドル売りの流れが継続し、今週(7月31日~)に入って、ユーロ/米ドルは1.1846ドル近辺まで上昇。米ドル/円は、110.02円前後まで下落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■米ドルより弱いスイスフラン、緩和継続路線を意識
イエレンFRB議長は来年(2018年)2月に任期が切れますが、利上げよりもバランスシート縮小の方を、積極的に推し進めていこうという感じに見受けられます。
ここまで、米ドル安のトレンドが続いていますが、先週(7月24日~)からはスイスフラン安も目立っていて、米ドルよりスイスフランの方が弱いことから、米ドル/スイスフランは上昇してきています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/スイスフラン 4時間足)
ユーロ/スイスフランも、2016年2月の高値、1.1197フラン付近を越えてきています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 月足)
ECB(欧州中央銀行)の金融政策は出口に向かっていますが、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])の金融政策は緩和的なままということもあって、スイスフラン売りが出ているといったところです。
【参考記事】
●引き締めに向かう主要国中銀が「密約」? ECB理事会でのテーパリングの行方は…!?(7月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
●ドラギ総裁はハト派でも買われたユーロ! 「シントラショック」以降、ユーロは新局面へ(7月24日、西原宏一&大橋ひろこ)
緩和的な金融政策という点では日銀も同様で…
【注目情報】
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ロビンスカップ・ジャパンFX2017(Robbins World Trading Championship)優勝で高い実力を見せつけたカリスマ個人トレーダー・バカラ村氏。彼の相場予測&トレードが毎日配信される、有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!(月額:5,060円(税込))」はザイFX!がお届けしている有料メルマガです。
「バカラ村のFXトレード日報!」では個人トレーダー目線で初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガでご覧いただけます。
「バカラ村のFXトレード日報!」は、登録後10日間は無料解約可能なので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)