■米税制改革案の内容悪くないが、米ドル/円は伸び悩む
9月27日(水)に、米国の税制改革案が公表されました。
改革案には法人税率を20%へ、また、個人の課税が3段階に簡素化されて、最高税率を35%に引き下げることが盛り込まれました。
この内容は事前に報道されていたこともあり、また、トランプ大統領は当初、法人税率を15%に引き下げることを目指していたこともあって、発表後の米ドル/円は112.37円まで下がりました。

(出所:Bloomberg)
法人税率の引き下げ案は、トランプ大統領が目指す15%とはなりませんでしたが、内容としては悪くないと思え、株式市場などには好感されるはずだと思います。
【参考記事】
●ドル高の可能性高まる! 長期金利が異常な上昇!? ドル/円は114円台半ば目指す動きに(9月28日、今井雅人)
●トランプ氏への過小評価が撤回され米ドル上昇へ! 米ドル高を徹底的にフォローせよ(9月29日、陳満咲杜)
ただ、これまでのトランプ大統領の行動から、市場は税制改革案の実現性に疑問を持っているようで、米ドル/円を買い上げていきにくい状況となっています。
税制改革案の発表前は、その期待から米ドル/円は113.25円まで上昇し、昨日、10月2日(月)も113円台をトライしましたが、なかなか113円台に定着できず、112円台での推移が続いています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
(※編集部注:本記事の寄稿後、10月3日(火)の東京時間に米ドル/円は一時、113.17円付近まで上昇した)
■次期FRBは誰に? 米ドルへの影響は?
9月29日(金)には、トランプ大統領が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長の指名を巡り、元FRB理事でタカ派のケビン・ウォーシュ氏と対談したことが明らかになり、同氏が議長候補の1人に浮上したことで米ドルが上昇しました。
9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で公表されたドットチャート(※)の中央値からは、来年(2018年)は3回の利上げが示唆されていましたが、市場はまだそれを織り込んでおらず、FRBメンバーに空席があることや、次期FRB議長が誰になるかによって、今後の利上げ回数が変わる可能性が出てくるため、市場が注目している材料の1つとなっています。
(※編集部注:「ドットチャート」とは、FOMCメンバーのFFレート誘導目標の見通しを分布図で示したもの)

(出所:FRB)
トランプ大統領は、次期FRB議長を「2~3週間以内に決める」と発言していることもあり、誰が選ばれるかで米ドルの強さが変わることになります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
日本では、10月22日(日)の衆議院選に注目が集まって…
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