昨日は欧州時間ではドル円は112円台の前半でやっていたのだが、ニューヨーク序盤では111円台まで押し込まれた。やはり112円台の維持はちょっと無理があったのかなと思わせる展開となった。
しかし議会の上院でマケイン議員が税制改革の法案を支持した。これで本会議でも減税法案は通過する見込みが高まったということで、米国株は大幅に上昇。リスクテークが進んだ。ドル金利の上昇に伴ってドル相場も堅調に推移したので、ドル買いも強まった。
まだマーケットが動くということは、ぜんぜん減税の可能性を織り込んでいなかったということなのだろうか。これが不思議でたまらない。本当に法案が通ったら、まだ株価は上がるのだろうか。織り込んでいないとしたら、間抜けな話しである。
しかしニューヨーク時間の午後には、ティラーソン国務長官の解任説が飛び出してきた。複数のメディアが伝えたのだが、それで米国株の上げは一服、利食い売りに押された。ドル円の上昇もストップ。ニューヨーク時間が終わってみれば、クロス円が全面高となっている。ユーロドルもポンドドルも堅調だったということだ。
今日になって日本人も株買いに励み、朝のセッションで日経先物は23000円までタッチした。しかし上院での採決が延期されるとの報道が流れるとムードは一転。
急速にリスク許容度はしぼむことになって、日本株は下落に転じた。ドル円も昨日の高値を超えてきていたのだが、リスク回避のあおりを受けて30ポイントほどもトップから下がってきた。日本時間の今晩には米上院で採決の運びとなる見通し。
それまでは予断を許さない分、株価は上下に振れることになりそうだ。税制改革の法案が通過しても、通過しなくても、米国株は大きく動きそうだ。それにともなってのクロス円の上下動の激しさも予期されるものだ。方向感は決め打ちしないほうがいいだろう。
日本時間 17時00分
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