(「【超初級】 ビットコイン・仮想通貨入門(8) ビットコインはどうやって手に入れるの?」からつづく)
■値動きの大きいビットコイン、どんな理由で動く?
特定の国の通貨でもなく、供給量をコントロールする機関もないビットコインなのに、どうして値動きが激しいの??? と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
特定の国の通貨ならば、その国の経済情勢、金融政策方針、あるいは地政学リスクなどによって相場が変動しますし、原油などの資源でしたら、OPEC(石油輸出国機構)が産出量をコントロールすることなどによって、価格に影響が出ますよね?
では、ビットコインでは何が値動きの要因となるのでしょうか? 当コーナーで紹介した過去の事例を見てみると、以下のものなどが挙げられます。
<過去にビットコインの変動要因となった事例>
・ 中国のICO全面禁止や取引所の取引停止
・ 米CMEグループのビットコイン先物上場計画発表
・ ビットコインのハードフォーク
こうして見ると、結構いろいろなことが、価格の変動要因になり得るんですね。詳しくは、以下の【参考記事】でチェックしてみてください。
【参考記事】
●マイナス500万円!? ビットコイン、なぜ暴落?チャイナショック&JPモルガンショックって!?
●「ICO」とは? 「IPO」と何がどう違うの?テックビューロ発、「COMSA」のしくみは?
●ビットコイン/円が瞬く間に80万円突破!米CMEがビットコイン先物上場計画を発表
●ビットコインがついに100万円を突破!!CME上場とハードフォーク期待が背景に!?
●ハードフォーク前倒し!! 新たに誕生したビットコインゴールドがもらえる取引所は?
●70万円目前! ビットコインが大暴騰中!!原因はビットコインゴールド誕生予定にあり!?
●ビットコインは、8/1のハードフォーク後に最高値更新! ビットコインキャッシュとは?
●BIP91っていったい何? 7月23日(日)が注目なワケは? どうなるビットコイン!?
●ビットコインはなぜ、急落してから急反発?8月1日だけでなく7月21日も注目の理由は?
●なぜ、ビットコインは急上昇してきたのか?8月1日は運命の日! 暴落の可能性も!?
もっとも、要因がどうこうよりも、「上がるから買う!」、「買うから上がる!」が無限ループ化してここまで爆上げしてきた面もあるようです。もちろん実際には、“無限”ではないと思いますけれども…。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 週足)
■中国事情は何かとビットコイン価格に絡んでくる!?
ビットコインは特定の国の通貨ではありませんが、中国での市場が大きかったため、これまでいろいろな角度から中国の動向が値動きに絡んできました。
先に挙げた「中国のICO全面禁止」というのは、2017年9月の出来事だったのですが、ICO(Initial Coin Offering)というのは、ざっくりお伝えすると「新規の仮想通貨を発行して事業資金を調達するしくみ」のこと。株式市場におけるIPO(Inicial Public Offering)の仮想通貨版のようなものです。
ICOはビットコインなどの仮想通貨を使って行なわれるため、投資家はICOに応募する場合、その分の仮想通貨を持っている必要があります。ICOに応募するための仮想通貨需要が、ビットコインなどの仮想通貨相場を押し上げている感じがあった矢先の中国の規制…。
詳しくは、【参考記事】をご覧いただきたいのですが、市場規模の大きい中国でICOが禁止されてしまうということは、少なからずビットコイン相場に影響を与える結果となりました。
【参考記事】
●マイナス500万円!? ビットコイン、なぜ暴落? チャイナショック&JPモルガンショックって!?
● 「ICO」とは? 「IPO」と何がどう違うの? テックビューロ発、「COMSA」のしくみは?
それに追い打ちをかけるように、9月中旬以降、ビットコインをはじめとする仮想通貨取引への中国当局の規制が厳格化。中国の大手仮想通貨取引所が相次いで取引を停止する事態となったのです…。
今のところ、マイニングは規制されていないみたいですが、中国はビットコインのマイニングでもかなりのシェアを占めていますから、この先、マイニングに関する規制などが行われることがあったらと考えると…。ビットコインの値動きに大きな影響力を持つ中国の動向からは目が離せません。
【マイニングに関する参考記事】
●【超初級】 ビットコイン・仮想通貨入門(5) マイニングとはいったい何をしているのか?
■米国でビットコイン先物が上場! 次はビットコインETF!?
また、10月31日(火)に米CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)グループが2017年年内にビットコイン先物を上場する計画だと発表したことも、ビットコイン価格の急騰につながりました。実際、12月18日(月)には、無事にビットコイン先物が上場されています。
このほかにも、米最大の株式オプション取引所、CBOE(シカゴ・オプション取引所)がビットコイン先物を上場させるなど、2017年12月は米国のデリバティブ取引所でビットコイン先物の上場が相次ぎました。
これは、ビットコインが100万円、200万円の大台を超える足掛かりとなった材料ではないでしょうか。
【参考記事】
●ビットコイン/円が瞬く間に80万円突破! 米CMEがビットコイン先物上場計画を発表
●ビットコインがついに100万円を突破!! CME上場とハードフォーク期待が背景に!?
●ビットコイン/円がついに200万円突破!! CMEビットコイン先物は日本で取引できる!?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
CMEは、先物・オプションなどのデリバティブの取引で有名な取引所グループであり、公的に認められた取引所を運営しています。そこに上場されるということは、一気にビットコインへの信頼性が高まることになるでしょう。これを受けて、多額の資金を動かす機関投資家が本格的にビットコイン市場に参入すれば、ますますビットコイン市場は盛り上がるのでは…? という期待が、ビットコイン価格を押し上げたのかもしれません。
この点については、米国在住の広瀬隆雄さんが詳しく解説してくれていますので、ぜひ【参考記事】をご覧ください。ビットコイン先物の次は、ビットコインETF上場への期待も高まっているみたいですよ。
【参考記事】
●ビットコイン先物上場! ビットコインETF上場なら大量の機関投資家マネーが流れ込む!?
■ビットコインのハードフォークって?
そして、当コーナーでも何度も取り上げている「ハードフォーク」も、ビットコイン価格を上下させる大きな要因の1つとなってきました。
ビットコインのハードフォークとは、ブロックチェーンの仕様変更の方法の1つ。あるブロックから新しいルールを適用するため、古いルールが使えなくなるので、結果的にブロックチェーンが分岐し、従来のブロックチェーンを使うビットコインとは別に、新たなブロックチェーンを使う仮想通貨が誕生することになります。
詳しいことは、【参考記事】をご確認いただきたいのですが、なんでわざわざそんなことを?
【参考記事】
●ハードフォーク前倒し!! 新たに誕生したビットコインゴールドがもらえる取引所は?
●70万円目前! ビットコインが大暴騰中!! 原因はビットコインゴールド誕生予定にあり!?
●ビットコインは、8/1のハードフォーク後に最高値更新! ビットコインキャッシュとは?
●BIP91っていったい何? 7月23日(日)が注目なワケは? どうなるビットコイン!?
●ビットコインはなぜ、急落してから急反発?8月1日だけでなく7月21日も注目の理由は?
●なぜ、ビットコインは急上昇してきたのか? 8月1日は運命の日! 暴落の可能性も!?
理由は、いろいろとあるようですが、当コーナーでこれまでに紹介したもので言うと、ビットコインの取引量が急激に増えたために、従来のブロックチェーンのブロックでは手狭になってしまったことも理由の1つです。
現在のブロックは、1MBが容量となっていますので、それを超えるとブロックに入らなくなり、入りきらなかった取引は承認を待たされることになります。待たされる取引が増えてしまうと、承認に時間がかかってしまい、ビットコインの利便性や信用性は下がってしまいますよね?
そこで、新たにブロックサイズの大きい仮想通貨を作ろうという集団が現れて、ブロックチェーンを分岐し、新たな仮想通貨を誕生させました。これが2017年8月に誕生したビットコインキャッシュ(BCH)。この時、以前からビットコインを保有していたユーザーは、何もしなくても同量のビットコインキャッシュがもらえるとかって話で、なんだか大騒ぎになりましたよね。
【参考記事】
●ビットコインは、8/1のハードフォーク後に最高値更新! ビットコインキャッシュとは?
ちなみに、ビットコインキャッシュのチャートはこんな感じです。2017年12月22日(金)現在、30万円付近で推移しているビットコインキャッシュ。これをハードフォークの時にタダでもらえていたとしたら…。結果論ですが、たしかに、かなりオイシイです。

(出所:GMOコイン)
このほか、ビットコインキャッシュとはまた違った思想でハードフォークされたビットコインゴールド(BTG)という新仮想通貨も、10月に誕生しています。
【参考記事】
●ハードフォーク前倒し!! 新たに誕生したビットコインゴールドがもらえる取引所は?
その後もハードフォークの話はいくつも湧いて出たり消えたりしており、一時は何が目的なのかよくわからないハードフォーク祭り状態でしたが、2017年12月現在は、いったん落ち着いているみたい?
とりあえず、ハードフォークの話が出てくるたびに、ビットコインは大きな値動きに見舞われる状況が続いてきました。そして、ビットコインキャッシュの誕生以降は、ハードフォークのうわさが出るたびに、ビットコイン価格が上昇することが多くなったのです。ハードフォークで誕生する新たな仮想通貨をもらいたいということでビットコインが買われるようになったわけですね。こうした動きは今後も続くのでしょうか…?
一部では、ビットコインキャッシュが従来のビットコインに取って代わるのではないかというウワサもあったりと、ビットコインを巡る事情は目まぐるしく変化しています…。正直、今後は何が値動きの材料になっていくのか、今から特定するのもかなり難しい…。
いずれにせよ、ビットコインを、特に投資目的で購入する場合は、常に最新の情報をチェックするということが大切になってきそうですね。
【参考コンテンツ】
●ビットコイン・仮想通貨の取引所/販売所を比較。取引コストが安いのはどこ?
(「【超初級】 ビットコイン・仮想通貨入門(10)利益に税金はかかる? 詐欺や盗難に注意」へつづく)
(ザイFX!編集部・上岡由布子)
【目次】 【超初級】 ビットコイン・仮想通貨入門
■【第1回】 そもそも、ビットコインとは何なんですか?
■【第2回】 「電子マネー」と「仮想通貨」の違いとは?
■【第3回】 円などの「法定通貨」と「仮想通貨」の違い
■【第4回】 ブロックチェーンって結局、何なの!?
■【第5回】 マイニングとはいったい何をしているのか?
■【第6回】 マウントゴックス事件はどんな事件だった?
■【第7回】 ビットコインアドレスはなぜ匿名性が高い?
■【第8回】 ビットコインはどうやって手に入れるの?
■【第9回】 ビットコインの値動きの要因は何だろう?
■【第10回】 利益に税金はかかる? 詐欺や盗難に注意
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