ＮＹダウは665ドル安！ 日経平均も大幅安！
それでも米ドル/円が下げなかったワケは？

原因は、米金利上昇でしょう。これまでの株高は低金利に支えられていましたが、10年債利回りは2.8777％まで上昇しています。

先週、2月2日（金）でＦＲＢ（米連邦準備制度理事会）のイエレン議長が退任し、パウエルさんへと交代しました。ＦＲＢ議長の交代時、株の急落が起こりやすい経験則があるのですが、早々に発動しましたね。

米国株がこれだけ高い位置にあるなか、株価を崩さないよう、金利を上げていくというのは至難のワザですし、パウエルさんも前途多難です。

日銀が2月2日（金）に行なった「指値オペ」（金額に制限を設けず指定した利回りで国債を買い入れるオペレーション）の影響だと思います。

ただ、本日（2月5日）は109円台へと下げているように、タイムラグは伴いながらも、株安とともに米ドル/円も下げていくのではと考えています。

ＮＹダウのチャートは天井を打ったように見えますし、気になるのは「リスクパリティ」からの売り。

「リスクパリティ」は、運用戦略のひとつで、ボラティリティにあわせてポートフォリオを構築する戦略です。

単純に言えば、「ボラティリティが低い資産を多めに、高い資産を少なめに」と調整して、特定の資産の影響を受けにくくしていきます。米国株は、ボラティリティが高まっており、リスクパリティからの売りが出やすい環境となっています。

彼らはボラティリティを見て機械的に切っていくでしょうから、落ちるときはスパッと落ちやすくなります。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによれば、急落を警告するシグナルが出ているそうで、そのシグナルによる株式市場の平均下落率は12％です。

大きく言えば株安・債券安（金利高）・米ドル高・円高でしょうし、為替で言えば米ドル高・オセアニア通貨に対する円高のイメージです。

ユーロは、そのときどきによって動きを変えるので、一概に言いにくいのですが、今回で言えばユーロ/米ドルが1.25ドル近辺にある中で、さらに買われるかというと……。

1.21ドル台だった１月でさえ、ＥＣＢ（欧州中央銀行）高官からユーロ高牽制発言が出ましたから、ここから勢いよく上がるというのは想定しにくいですよね。

今週（2月5日～）は、株安の継続を想定して、豪ドル/円の売り、それに米ドル/円の売りを中心に考えていきたいですね。