■米利上げペースは想定以上に速まるかも
昨日、1月31日(水)に、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が公表されました。
声明文の中で、特に注目されるのは、以下の部分です。
「委員会は、金融政策スタンスの更なる漸進的な調整により、経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場は力強い状況が続くと見込んでいる。前年比ベースでのインフレ率は今年上昇し、中期的には委員会の目標である2%程度で安定すると見込まれる」
この中で、今年(2018年)は、インフレ率が高まっていくと予想している、という点が重要です。
前回までの声明文では、「前年比ベースでのインフレ率は2%をいく分下回ったままで推移」となっていました。
米国では政策金利の引き上げペースが、市場の予想以上に速まる可能性が出てきました。
※FRBのデータを基にザイFX!が作成
■引き締め期待高まるユーロ圏。議論は3月以降!?
一方、他の国においても、金融引き締め期待が高まってきています。
ECB(欧州中央銀行)のプラート専務理事は、「インフレが景気刺激策なしに、目標に向かうと確信した際に、資産買い入れを終了する」との見解を示しました。
また、同理事は、資産買い入れ終了を段階的に行うか一度に実施するか、ECBはまだ決定していないと指摘。「一度の終了も可能で、段階的な終了もできる。これは依然として理事会での討議が必要な事項のひとつだと思う」と述べています。
現在、ECBは段階的に資産購入金額を減らしており、9月までは量的緩和に基づく買い入れを続ける方針を示しています。
しかし、状況によっては、それが前倒しされる可能性もあるということです。また、9月以降をどうするかという点についても、注目が集まっています。
こうした、ECBの引き締めペースが速まるのではないかという見方が、ユーロ相場を上昇させています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
おそらく、3月に最新の経済見通しが出てきたあと、これらのことが議論されるのではないでしょうか。
■日銀に政策転換の様子はまったくない!
そして、日本です。
日銀が超長期の国債の入札を少し減額したということで、「政策転換か」と市場が大騒ぎして円高になったり、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)で黒田日銀総裁が、中期的インフレ率の高まりから、「いよいよ物価上昇率2%の達成時期が迫ってきている」という趣旨の発言をしたことを受け、円高に反応したりする場面もありました。
【参考記事】
●ヘッジファンドの狙いは「日銀トレード」!? ドル/円は戻り売り継続で107円台前半へ…(1月29日、西原宏一&大橋ひろこ)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
しかし、先日の黒田日銀総裁の予算委員会での答弁を聞いていると、政策転換した様子はまったくなく、むしろ、今後も金融緩和を継続していくという姿勢を鮮明にしていました。
【参考記事】
●日本勢は日銀のテーパリングはまだ先と思っているのになぜ、円は買われるのか?(1月30日、バカラ村)
ここ数週間、米ドル全面安の展開が続いています。正直言って…
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