昨日は東京市場で猛烈に株買いが入って、株価は高騰した。日経先物は22350円まで上昇。これは前日の安値である21050円から見ると、1300円級のメクリ上げだ。リスクテークとなってドル円は上昇に向かうものの、やはり動きは鈍い。109円台の後半までゆっくりと上がっていくのがやっとだ。
これだけ激しく株価が上昇していくならば、ドル円も勢い余って111円台とかまで吹っ飛んでもよさそうなものなのに。しかしそのリスクテークも海外市場を待たずに息切れ。日本株も前日比でマイナス転するほどの急落を演じた。とりあえずアジア時間では様子見を決め込むことにした。
欧州時間でのグローベックスのプライスアクションも実に不安定のままであった。米国株の代表であるS&P先物などは簡単に20ポイントも上げたり下げたりしている。20ポイントといえば、1日の値幅だといってもよい。それがいとも簡単にフワフワと動いているのだ。
これではボラティリティも上がろうというものだ。市場の不安定さはリスク回避を誘うだろう。そう考えて私はやっと重い腰を上げて、ドル円を109.01で売り込んだ。しかしニューヨークオープンの頃合いには株価も下がらず、どちらかというと反発気味。変動性が激しいので大きな反発があれば怖い。私はドル円をほとんど同値で買い戻した。
夜中には米上院のほうで向こう2年分の予算について、超党派の合意がなった。それを好感して米国株は急上昇。ドル円も109円台の中盤までまくりあげられて、ユーロドルも下げ基調を明確にしだした。そうしたドル高の流れになっていたのに、ニューヨーク時間の終盤では、再びリスク回避の勢いが強まった。ダウ平均は大幅高をしていたのに、ラスト15分で一気にマイナス転である。それでドル円もややトップサイドから離れた。
「適温相場」という幻想というか、勘違いは終焉を迎えたのかもしれない。適温であるならば、市場が要求しているのに、利上げを急がないわけがない。それをなかば強制的に低金利で抑え込もうとしていたところに限界があったようである。米国株などは歴史的な高値を更新する日々が続いたのだから、ドル金利もそれに見合う金利水準まで早急に引き上げるべきであったのである。
0.25%ずつチョロチョロと上げていても、それは何の効果もない。リスクを見えなくするだけ危ないだけである。それを適温だとか言っていたのだから、市場参加者の心地よく騙されていたいというバカさ加減だけだったのだろう。
見えざる手にゆだねないといけない状態を、市場との対話を重視するという。そしてアメリカの金融当局の担当者は歴代ともにそれを標榜してきた。しかし金融緩和の行き過ぎを訂正するのが遅すぎた。日本などはまだ何もやろうとしていない。怖くてやれないのだ。異次元緩和などと言って、いまだに幻想を当てにしている振りをし続けていたいのだろう。
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