2008年4月1日午前0時ごろ──。今からちょうど10年前に当サイト「ザイFX!」はオープンしました。
■ちょうど10年前、ザイFX!が生まれたとき…
ザイFX!がオープンしたそのとき、深夜だというのに、東京・原宿にあるザイFX!運営会社のそのフロアには煌々と明かりが灯り、たくさんの人が残っていました。
ザイFX!の制作に携わっていた筆者もその場にいて、そのときの情景を今でもハッキリ覚えています。2008年3月31日や4月2日の情景は何も思い浮かばないのですが、2008年4月1日午前0時ごろの情景は脳裏に焼きついているのです。
テストサイトのURLに表示されていたザイFX!を本番サイトのURLに表示させるようにする、そのこと自体は外注していたシステム会社の仕事であり、会社にたくさんの人が残っている必要はありませんでした。そして、残っているように…との指示があったわけでもなかったのに、多くの人が自主的に残っていました。
サイトのオープン予定時刻は午前0時だったのですが、実際にサイトがオープンしたのはたしか午前0時ちょうどではありませんでした。
予定時刻の午前0時になってから、筆者は本番サイトのURLに何度も何度もアクセスした記憶があります。しかし、しばらくサイトは表示されませんでした。2~3分経ったあと、本番サイトのURLに新サイト・ザイFX!がついに姿を現しました。
そのとき、筆者は「開通した!」といった言葉を叫んだような気がします。その直後、システム会社の副社長から我が社の社長宛に「開通」を知らせる電話がかかってきたと記憶しています。フロア全体がどよめいていました。そこにはこれから何か新しいことが始まるのだ、という熱気が満ちていたように思います。
※2008年4月1日時点のものは保存していなかったため、保存してあった
一番古い2008年4月18日時点のもの
■なぜ、深夜午前0時に新サイトをオープンさせたのか?
今、考えると、午前0時にサイトをオープンさせる必要などありませんでした。普通の営業時間中にオープンさせれば良かったのです。いろいろなサイト制作の経験を積んできた今なら、間違いなくそうしています。たとえば、午前11時ごろオープンというふうにすると思います。
ただ、筆者がその情景を10年もの歳月を経た今でもよく覚えているのは、わざわざ深夜午前0時にサイトをオープンさせたからこそだったと思います。
メディアで働いていると言うと、「夜遅くまで働いているのですか?」という質問をされることがあります。たとえば、大手新聞社や大手通信社なら24時間体制なのはおそらく当たり前でしょう。ただ、我が社はそんな大きな会社ではありません。といって、ブラックな環境でもありません。2008年4月1日以降の10年間、深夜午前0時を過ぎて、あれだけたくさんの人が会社に残っている状況は1回もなかったと思います。
新年度がきっかり始まった4月1日午前0時に新サイトをオープンさせるということは当時の社長の厳命によるものでした。
2008年3月下旬に発売された『ダイヤモンドZAi 2008年5月号』には午前0時とは書かれていなかったものの、4月1日に新サイトがオープンするという告知が載っていました。発表してしまった以上、遅れは許されませんでした。
出所:『ダイヤモンドZAi 2008年5月号』
出所:『ダイヤモンドZAi 2008年5月号』
筆者が今のザイFX!の元となる企画を考えるよう、上司から言われたのはオープンの約4ヵ月ぐらい前のことでした。その時点でザイFX!は影も形もなかったわけですが、社長の厳命を実現するため、少人数で猛烈な突貫工事を行って、ザイFX!はオープンにこぎ着けたのでした。
■ザイFX!が誕生した経緯とは?
この2008年前後にはザイFX!の周りで、とてもたくさんの出来事が起こったのですが、ここでは、その重要なことのほとんどは割愛します。ただ、ザイFX!がそもそもどんな経緯で生まれてきたのか、ということは10周年のこの機会に簡単にはご説明しておきたいと思います。
出版社・ダイヤモンド社から、月刊投資情報誌『ダイヤモンドZAi』が創刊されたのは2000年3月のことでした(雑誌の号数は2000年5月号)。
いわゆるITバブルのほとんど頂点のときです。このとき、「ZAi(ザイ)」という投資情報のブランドは生まれたのでした。
※本記事公開時点の最新号
『ダイヤモンドZAi』はそれまでの投資情報誌とは異なり、デザインを重視して、ビジュアル的に見やすいものになっていました。
非常に細かい余談になりますが、ZAiという文字は1文字目のZと2文字目のAを大文字で書きます。
ZAiは英単語ではありませんが、もしも普通の英単語であるならば、1文字目のZだけが大文字となり、Zaiとなるところです。そうではなく、1文字目も2文字目も大文字にして、ZAiと書くのが正しい書き方なのです。
さて、ザイFX!がオープンする前の時点で『ダイヤモンドZAi』はウェブサイトを持っていたことは持っていたのですが、それはあまり本格的なものではありませんでした。以下の「zai.ne.jp」がそのサイトです。
ザイ・オンライン、ザイFX!がオープンする前にあった「ZAi(ザイ)」ブランドのウェブサイトが「zai.ne.jp」。上のイメージはInternet Archiveから発掘。
そこで、「ZAi(ザイ)」のブランドを使った本格的なウェブサイトを作ろうということになったのです。そして、ダイヤモンド社の子会社であるダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチが株式情報を中心とした投資情報サイト「ザイ・オンライン」を作って、運営することになったのでした。
その際、元々はザイ・オンラインの1コーナーとして企画されたのがザイFX!でした。ただ、ザイFX!はオープンした時点から比較的大規模なものとなっており、ザイ・オンラインの1コーナーというよりは、親子サイトもしくは姉妹サイトのような形になっていました。
このような経緯があって、冒頭に書いたように、2008年4月1日午前0時ごろ、ザイ・オンラインとザイFX!は同時にオープンしたのでした。
ちなみにザイ・オンラインの運営は2012年ごろにダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチからダイヤモンド社へ移り、今のザイ・オンラインは株式以外にも、クレジットカード、不動産、住宅ローン、ふるさと納税など幅広いマネー情報を総合的に扱うサイトになっています。
さて、ザイFX!がオープンした2008年4月という時期に金融市場はどのような…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)