■まさかのブレグジット決定で英ポンドは暴落!
スイスショックはほぼ為替市場に限定されたショックでしたが、2016年に起こった2つの出来事は為替市場も株式市場も、そして、全世界をも震撼とさせるものでした。
その1つは2016年6月に起こった「英国のEU(欧州連合)離脱決定(ブレグジット)」であり、もう1つは2016年11月に起こったトランプ氏の米大統領選当選です。
ブレグジットについては、まさか英国国民投票によってEU離脱決定となることはないだろうとの見方が最初は優勢だったのですが、英国国民投票の2~3週間前あたりから雲行きが怪しいものに…。
これを感じ取った各FX会社はこぞってブレグジット企画を立て、英国国民投票へ向けて、日本FX史上、最大級のお祭り状態となっていきました。ザイFX!でも多数のブレグジット関連記事を公開しましたが、以下はそれらのごく一部です。
【参考記事】
●緊急特集:EU離脱・英国国民投票まとめ。まさかのEU離脱で世界に激震(2016年7月4日)
【参考記事】
●英国がEU離脱なら英ポンドは20%暴落か。7500万円払えば、いち早く結果がわかる!?(2016年6月15日)
●朝まで生ライブってFX界の田原総一朗か!? 6月24日午前0時から朝までずっと生放送!(2016年6月23日)
●ついに英国のEU離脱が確定的な状況に!! 英ポンド暴落、米ドル/円も100円割れ!(2016年6月24日)
●20%近い下落! EU離脱ショックは1日で織り込まれた。もう深追いすべきではない(今井雅人、2016年6月24日)
雲行きが怪しいものになったとは言いつつも、以下の記事で紹介したとおり、最後の最後までブレグジットは回避されるとの見方が専門家の間では多かったのですが、結局はブレグジットが決定。英ポンド/円は2016年6月24日のわずか1日で高値160円台から安値133円近辺まで約27円も暴落する展開(※)となったのでした。
(※この日の高値や安値の値はFX会社やメディアによって異なる)
【参考記事】
●EU残留予想はモーサテ100%、ザイFX83%。驚きの英国国民投票・緊急アンケート結果(2016年6月22日)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 30分足)
■サプライズはトランプ大統領誕生よりその後のリスクオン相場
そして、2016年11月に行われたのが米大統領選。民主党のヒラリー・クリントン氏、共和党のドナルド・トランプ氏の戦いとなったこの米大統領選、当初はクリントン氏優勢と見られていましたが、こちらも次第に雲行きが怪しくなっていき、ついにトランプ氏が勝利するという結果に。
2016年11月に行われた米大統領選では、民主党のクリントン氏を破り、共和党のトランプ氏が劇的な勝利 (C)Scott Olson/Getty Images
ただ、金融市場的にサプライズだったのはトランプ氏の勝利そのものというよりも、その後の相場の動きだったと感じます。
米国第一の保護主義を主張するトランプ氏が勝利すれば、金融市場はリスクオフとなり、株安・円高が進むとの見方が選挙前には圧倒的に多かったと思います。
たしかに米大統領選の開票が進み、次第にトランプ氏の優勢が明らかになってくるに連れて、そのような株安・円高の動きは起こりました。米ドル/円はこの日、105円台の高値から101円割れをうかがうところまで大きく下落したのです。ところが、それは1日もしないうちに途中で反転。今度は猛烈なリスクオン、いわゆるトランプ相場が巻き起こりました。
【参考記事】
●メール問題再発で混沌の米大統領選挙! ヒラリー側近の美人スタッフがどう関係?(広瀬隆雄、2016年11月4日)
●激戦州のオハイオなどでトランプ氏勝利! ドル/円は101円台、日経平均は900円超安(2016年11月9日)
●米大統領選挙は予想外のトランプ氏勝利! リスクオフで米ドル/円急落も意外な動き…(2016年11月9日)
(出所:サクソバンク証券)
トランプ相場はこの年の年末、2016年12月まで続き、米ドル/円は118円台まで上昇しました。その後、トランプ氏は2017年1月20日(日本時間1月21日)に大統領就任式を行いましたが、今振り返ると、米ドル/円については、その時点でもうトランプ相場は終わっており、下落に転じていたのでした。
(出所:サクソバンク証券)
この当時のザイFX!連載陣では西原宏一さんが急反転して巻き起こったトランプ相場にいち早く乗っていたのが印象的でした。
【参考記事】
●レーガノミクス再来か。トランプ次期大統領のトランポノミクスのもと、ドル/円は109円へ(西原宏一、2016年11月10日)
●波乱の「トランプ為替乱高下相場」で西原氏がドル/円を大底で買えた理由とは?(2016年11月22日)
十年一昔。1本の記事としては結構長く…
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