■20分ほどで約3800pipsも急落したスイスショック!
先ほど述べたとおり、そんな米ドル/円相場も2015年6月に125円台で天井をつけたわけですが、その半年前の2015年1月に為替市場では大激変がありました。スイスショック(スイスフランショック)です。
SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])はユーロ/スイスフランにおいて、1ユーロ=1.2000フランに防衛ラインを設定し、それよりもスイスフラン高にならないように(ユーロ/スイスフランが下落しないように)、為替介入をしていたのですが、これを突如撤廃。
その結果、ユーロ/スイスフランはたったの20分ほどでおよそ3800pipsという大暴落を起こしたのでした。この暴落は為替市場以外の金融市場への直接的な影響はさほど大きくありませんでしたが、為替市場においては歴史に残る急落劇となりました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 5分足)
このスイスショックにより、欧米では破綻したり、破綻寸前になったFX会社も出てくる騒ぎとなりました。日本でも欧米の親会社の影響を受けた外資系FX会社が他社に買収されるといったことはありましたが、破綻したFX会社はなく、とくに日系のFX会社の経営は総じて健全なままでした。
そして、ザイFX!ではスイスショック発生時のインターバンクの状況を現役インターバンクディーラーへ取材したりもしました。
【参考記事】
●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!(2015年1月15日)
●スイスショックで借金の悲劇! 個人投資家を直撃、裁判への動きも…(2015年1月21日)
●プライスが消えた…。現役インターバンクディーラーが語ったスイスショックの瞬間(2015年1月21日)
●ついに破綻も! スイス中銀の爆弾発言は欧米のFX会社にどう影響したのか?(広瀬隆雄、2015年1月18日)
ここで、現在のユーロ/スイスフラン週足を見てみましょう。
(出所:サクソバンク証券)
2015年1月に笑ってしまうような巨大な大陰線が刻まれていますが、相場はそこからじわじわ上昇。2017年春以降は全般的にユーロ高が進みましたが、その波に乗って、いつの間にかユーロ/スイスフランも、スイスショック前の防衛ラインだった1ユーロ=1.2000フランにかなり近づいています。
あの大騒動から、まだ3年ちょっと。これも静かなオドロキですね。
スイスショックはほぼ為替市場に限定されたショックでしたが…
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