■記事を書いているうちに相場が爆下げしたリーマン・ショック時
2008年10月24日に公開した以下の記事では三菱信託銀行、パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などで為替ディーラーとして活躍し、『外貨崩落』という著書もあった松田哲氏に電話取材して、記事を構成しているのですが…
【参考記事】
●記事を書いているうちにみるみる下がっていくドル/円。いったいどこまで行くんだ~?(2008年10月24日)
この日の日本時間朝方に98円近辺にあった米ドル/円は松田氏に電話取材した夕方の時点ではもう94円台まで下がっていました。半日ほどで約4円も下がっていたのです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 15分足)
そして、ここから新規に売っていいのか?という筆者の質問に対し、「今すぐ売っていいと思いますよ」と松田哲氏が電話で話してくれたことなどを記事にまとめているうちにも相場はみるみる下がっていきました。その模様は記事の最後に以下のような形で表現されています。
「(前略)……今すぐ94円台で売って、もしも、リバウンドしたら97円でもさらに売る。そして、ストップロスオーダーは99円に置いておく」
──とこう書いている間にもドル/円は93円台に落ちてきた。
読者の中には以上の松田さんの話は、売ったところからストップロスまでの値幅が大きいと感じる人もいるかもしれない。けれど、仮にそうやって損切りになったとしても、自分が耐えられるだけの小さなポジション量に止めるべきと松田さんは言う。
──とこう書いている間にもドル/円は92円台を一時つけた。いったい、どこまで行ってしまうのだろう??とか何とか書いて、記事をアップする準備をしている間に91円台、さらに90円台へ──。もうホントのホントに大変なのである。
いったい、どこまで行くんだ~~~!?
(出所:「記事を書いているうちにみるみる下がっていくドル/円。いったいどこまで行くんだ~?」)
あとで触れるスイスショックやブレグジットのときも為替相場は短時間のうちに大変動しましたが、体感的にはこのリーマン・ショック時の相場が一番激しかったような気がします(筆者が慣れていなかったということもあったかもしれませんが…)。
■今もリーマンショック時の5分足が見られるツールで見ると…
以下は、5分足などでもかなり昔まで遡って表示することが可能なサクソバンク証券の高機能ツール「Saxo Trader」で、この2008年10月24日の米ドル/円5分足を見てみたものです。
【参考記事】
●日本版ロビンスカップ優勝のバカラ村さんが語る週足34年分1画面表示で見えてくるモノ(2018年3月16日)
●月曜日の窓埋めトレードを狙ってひと儲け! 午前3時からトレードすればニ度オイシイ…!?(2017年3月6日)
(出所:サクソバンク証券)
94円台で電話取材していたら、記事を書いている間にどんどん下がって、90円台になってしまった~と当時の記事には書いてありましたが、見事なまでにその90円台で底を打っていることがわかります。
調べてみると、このとき、米ドルが90円台で底を打ったのは18時43分のこと。この記事を公開したのはそのわずか10分後の18時53分でしたから、「いったいどこまで行くんだ~?」という“底なし感”を持ったときがズバリ底だったというありがちな展開になっていました。
さらにもう少し時間軸を長くして1時間足を見てみると…
(出所:サクソバンク証券)
90円台で底を打ったあとは、しばらくもみ合ったのち、数日後には100円近辺まで急反発していたことがわかります。かなりの大荒れ相場だったことが改めて感じられますね。
このように嵐の真っ只中に突っ込んでいったザイFX!でしたが…
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