■金先協会:2年間で未収金が一度も発生していない業者は取引高11位以下の38社中15社ある
山崎オブザーバー 続いて8ページです。8ページでは、レバレッジの引き下げについて質問しています。レバレッジの引き下げをする仕組みをお持ちの業者数と、先ほどの建玉制限のルールを持っている業者数とはほぼ同程度でした。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料3「金融先物取引業協会資料」より、8ページの「未収金リスクについて(その2)」を掲載
山崎オブザーバー 問11と12は、建玉制限、また、レバレッジ引き下げを実際に行ったトリガーがどのようなイメージだったかについて回答を得たものです。
9ページをご覧ください。問13、14は未収金の回収状況について質問をしています。2年間で未収金が一度も発生していない業者が、取引高11位以下の38社中15社あることにもご注目いただきたいと思います。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料3「金融先物取引業協会資料」より、9ページの「未収金リスクについて(その3)」を掲載
山崎オブザーバー また、私が第2回の検討会で未収金にかかる業者のリスクについてご説明しましたときに、回収率が高く、かつ、比較的短時間で回収できていると思われると申し上げました。この仮説は今回のアンケート結果により正しいことが確認できました。
■金先協会:カバー取引先の数は取引高上位10社では平均13社
山崎オブザーバー 10ページをご覧ください。問15ではカバー取引先の数を質問しています。取引高上位10社では平均13社、11位以下の38社では平均5社のカバー取引先を持っています。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料3「金融先物取引業協会資料」より、10ページの「カバー先リスクについて(その1)」を掲載
山崎オブザーバー また、グループ会社1社とカバー取引を行っている業者18社においてカバー先の1社が何社のカバー取引先を持っているかを確認したところ、平均で12社となっていました。これを見る限りでは業者はカウンターパーティリスクを分散し、複数のカバー取引先から自社のクレジット枠を付与されているというように見られます。
また、問16では、カバー取引先の信用状況の確認手段を質問しています。結果はこちらに記載しているとおりです。
11ページをご覧ください。11ページの問17では、プライム・ブローカーとの契約実態を質問しています。取引高11位以下の38社でプライム・ブローカーと契約している業者数が11社と少なくなっております。これは1つには【聞き取り不明】とられると複数のカバー取引先を必要としない業者がいるため、また、2つ目にはプライム・ブローカーと契約が難しいという業者がいるためと思います。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料3「金融先物取引業協会資料」より、11ページの「カバー先リスクについて(その2)」を掲載
山崎オブザーバー また、問18のLGの利用状況です。LGというのは、これはあくまで個々の業者と必ず実際の金融機関での関係ですので、LGの利用が多ければ問題はない、もしくは、利用が少ないと問題があるとの整理は、少し実際にはなかなかできないかと考えております。
また、問19でLGの担保に占める割合を質問しています。LGの領域は平均で70%台を示しています。
■金先協会:5社がストレステストに関する社内規則をまだ定めていない
山崎オブザーバー 12ページをご覧ください。ストレステストにかかる協会規則の遵守状況を質問しています。これは残念ですが、5社で社内規則をまだ定めていただいておりません。今後は協会より要請・指導を徹底したいと思っています。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料3「金融先物取引業協会資料」より、12ページの「ストレステストについて(その1)」を掲載
山崎オブザーバー また、問21でストレステストの実施状況を質問しています。取引高上位10社では、年間予定回数が最高で毎営業日の240回、平均で51.3回。取引高11位以下の業者では最高で毎月1度の12回、平均3.8回となっており、差異が大きく出ております。
取引高上位10社の実施予定回数上位社の方にお伺いしたところ、テストシナリオを規定し、システムで自動算出する方式を採用しているようです。これはいわゆる、シンプルなストレステストであるセンシティビティ・ストレス・テスト、これを毎営業日に行っているため、回数が240回と多くなっているというように理解しています。
13ページをご覧ください。ここでは、ストレステストの開示について質問しています。開示を実施している上位社は1社のみでした。開示内容も、具体的な数字を開示しているというのではなく、点検内容及びその結果で開示があります。ただ、これは銀行等の金融機関の開示でも同様です。そういうテストを行っていること、そして、その結果、資本と比較して問題ないことを開示しているというようです。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料3「金融先物取引業協会資料」より、13ページの「ストレステストについて(その2)」を掲載
山崎オブザーバー 最後に14ページをご覧ください。ロスカット水準について質問しています。ロスカット水準は、取引高上位10社中5社が50%以上となっています。一方で、取引高11位以下の業者の場合、半数以上の22社が100%としています。上位10社では水準が低く見えています。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料3「金融先物取引業協会資料」より、14ページの「ロスカット取引について」を掲載
山崎オブザーバー 問24にあるように、監視間隔が非常に短時間であり、さらに秒単位の監視もなされていると認識しており、有効なロスカット管理がなされていると認識しております。
私からの説明は以上です。
池尾座長 どうもありがとうございました。引き続きましてセントラル短資FXの松田オブザーバーからお願いいたします。
■セントラル短資FX:業界関係者の取り組みにより、店頭FXへの苦情は大きく減っている
松田邦夫オブザーバー(セントラル短資FX 代表取締役社長) では私から資料4に基づき、前回、店頭FX業者において過去の問題事例として荒井弁護士が取り上げられた諸点に対する業界の考え方をご説明します。
【参考記事】
●有識者検討会に新たな参加者もレバレッジ規制強化の声はなく…!?
資料は3社連名となっておりますが、これからの説明はこの間、主要な店頭FX業者11社の見解を集約したものです。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料4「GMOクリック証券・SBI証券・セントラル短資FX資料」より、1ページの「店頭FX業者における顧客保護体制の整備状況」を掲載
松田オブザーバー 2ページをご覧いただくと、確かにかつては店頭FX取引の不透明性が問題となる事例が見られました。しかしその後、関係者がそうした事例を防ぐための枠組みの強化に鋭意取り組んできたこともあり、店頭FX取引への苦情は大きく減っています。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料4「GMOクリック証券・SBI証券・セントラル短資FX資料」より、2ページの「前回の指摘に対する業界の受け止め方」を掲載
松田オブザーバー 残念ながらそれでも根絶はされない。不適切な事例を防ぐためには、整備が進められてきた枠組みの実効性を高めるべく、自主規制の向上、協会からの注意喚起、監査の厳格化などに努めていくことが肝要かと考えています。
次に、ロスカットの運用について、前回ご指摘がございましたが、3ページの冒頭に示しているように、業者は内閣府令でロスカットのルールを定めて体制を整備し、ルール通り運用するように義務付けられています。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第4回)の資料4「GMOクリック証券・SBI証券・セントラル短資FX資料」より、3ページの「ロスカット運用体制の整備状況」を掲載
松田オブザーバー また、金融庁の監督指針で、ロスカット取引の内容やリスクを顧客に適切に説明するよう求められておりますほか、協会の規則で監視間隔ごとに実預託額に応じたロスカットの水準を定めるよう求められています。
管理業者は、契約締結前交付書面などにルールを明記してこれを厳格に運用しています。そして、運用の状況は協会に報告され、協会監査等の対象にもなっています。
次に4ページです。全体に、レート配信システムには不合理であると…
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