■SBI証券:カバー取引は100%子会社のSBIリクイディティ・マーケットに委託。万が一の場合もSBIグループ全体で債務を履行し、信用力を補完
小川裕之代理オブザーバー(SBI証券 取締役経営企画部長。以下、「小川代理オブザーバー」と記載) SBI証券の小川でございます。
資料4をご覧ください。弊社は現在民間企業で日本株、外国株、FX、投資信託、債券等、さまざまな金融商品を取り扱うとともに、事業法人、金融法人との取引、いわゆるホールセールビジネスも展開している証券会社です。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料4「SBI証券資料」より、「弊社の決済リスク管理状況」を掲載
小川代理オブザーバー 手前どものインターネット証券ビジネスは、おかげさまで口座数420万口座を超えまして、インターネット証券の中では最も多くのお客さまにご支持いただいています。
本日はその取扱商品の1つであり、全口座の実に約20%が口座開設しております店頭FXについて、当社のリスク管理やお客さまの状況などについてお話しさせていただきます。
頂戴しております5分というお時間ではすべてご説明できませんが、ポイントを絞ってお話しいたします。右下スライド欄の2ページ、(1)から(3)のリスクについてご説明いたします。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料4「SBI証券資料」より、2ページの「弊社FXサービスのリスク管理について」を掲載
小川代理オブザーバー (1)顧客未収金リスクの管理については、ご覧のとおりの内容で日次にてお客さまのモニタリングを実施しています。そのすべてをシステム化しており、正確性を担保しています。また、為替相場の変動を常時モニタリングしており、変動時にお客さまの損益状況を精査しています。
(2)(3)のご説明の前に恐縮ですが、5ページをご覧ください。こちらは弊社のFX事業のビジネススキームの図です。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料4「SBI証券資料」より、5ページの「FX事業のビジネススキーム_リスク管理(2)(3)」を掲載
小川代理オブザーバー 弊社SBI証券のFXサービスですが、顧客に提供する取引システムやカバー取引等を、弊社100%子会社のSBIリクイディティ・マーケット(LM)社に一括で委託しています。
よってお客さまの取引は、即時にシステムによってLM社にフルカバーしており、弊社に自己ポジション、未カバーポジションの発生しない仕組みとなっています。
一方、右のLM社ですが、カバー取引、レート生成、システム運用全般を担っております。そうすることで、お客さまとの利益相反を排除できる体制が整っていると認識しています。
たとえばSBI証券の利益のために、無理な自己ポジションの保有や、顧客不利なレート配信などができない体制となっています。また、その先の一番右のLM社のカバー先ですが、現在30行以上あり、うちG-SIFIsが10行以上となっています。
このLM社とカウンターパーティーとのカバー取引については、ポジション上限ルール、モニタリングルール、ポジション解消ルールなどを整備し、運用を行っています。
さらにこちらにカバー取引のところに吹き出しがありますが、東京、ロンドン、ニューヨーククローズの1日3回ポジションをスクエアにすることで、未カバーポジション、いわゆるネットオープンポジションを最小化しています。
お戻りいただいて2ページ、(2)カウンターパーティーリスクについてはご説明のとおり、直接的にはLM社がリスクとなるわけですが、弊社の子会社でもあり、SBIホールディングスを含むグループ全体で債務の履行・信用力を補完し、顧客取引を保全しております。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料4「SBI証券資料」より、2ページの「弊社FXサービスのリスク管理について」を掲載
小川代理オブザーバー 仮にLM社に何かあったとしましても、弊社もしくはグループが履行主体となり、相手先銀行と決済を行うことで弊社グループ起因での外為市場におけるシステミックリスク顕在化を回避できると考えています。
(3)未カバーポジションリスク。こちらも先ほどご説明のとおりですが、LM社につきましては1日3回のポジションスクエアなどにより、リスクの最小化を行っています。
一方、弊社では日次でネットオープンポジションを入手し、他の為替リスクと合わせてバリュー・アット・リスク(VaR)(※)を算出し、下の矢印にありますとおり、経営報告を行っているという管理をしています。
(※編集部注:「バリューアットリスク」とは、保有している資産が最大でどのくらいの損失を発生させる可能性があるかを測定するリスク分析手法のひとつ)
■SBI証券:FXの未収金は先物・オプションと比べて金額ベースで300分の1。店頭FXに取り立てて過大なリスクがあるとの実感はない
小川代理オブザーバー 3ページをご覧ください。こちらはFX及びデリバティブ商品のレバレッジ推移です。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料4「SBI証券資料」より、3ページの「FX及びデリバティブ商品のレバレッジ推移_リスク管理(1)」を掲載
小川代理オブザーバー ご覧のカラーの赤いグラフがFXのレバレッジ、青い線が日経平均先物のレバレッジ、緑の点線はくりっく株365、CFDのレバレッジです。他のデリバティブ商品と比較しても、FXのレバレッジがいま現時点においてはもっとも低いことが見て取れるかと思います。
4ページをご覧ください。こちらは弊社の未収金口座と金額推移です。真ん中にあります紫の折れ線グラフですが、こちらは3カ月超、回収できていない先物・オプションの未収金額です。2月末で約13億円になっています。
※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料4「SBI証券資料」より、4ページの「弊社の未収金口座・金額推移_リスク管理(1)」を掲載
小川代理オブザーバー 一方、赤の折れ線グラフがいちばん下に出ていますが、こちらがFXの未収金額です。2月時点で120万円となっております。FXの未収金は先物・オプションと比較しましても、件数ベースで10分の1、金額ベースで300分の1にとどまっています。
したがいまして複数の金融商品を取り扱っております弊社としましては、店頭FXにおけるリスク、特にフィデューシャリー・デューティー上も重要となります顧客未収金リスク、その他管理リスクは相応にマネジメントできており、店頭FXを取り立てて過大なリスクがあるという認識は、当社では客観的な数字を見ましても実感がないというのが正直なところです。私からの説明は以上です。
池尾座長 どうもありがとうございました。それでは再び、セントラル短資FXの松田オブザーバーからお願いします。
当社は先に説明された2社と比べますと…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)