■金利動向から政治リスクを意識した相場へ
5月23日(水)に、5月1日(火)~2日(水)に開催された、FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が発表されました。
その中で、来月(6月)の利上げを示唆するような発言が、複数の委員から出てきていることが明らかになっています。
本来であれば、こうした内容を受けて、米ドルが全面高にならないとおかしいのですが、市場はまったく反応しませんでした。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
これは、これまでの金利動向を材料にしていた相場から、政治リスクを意識する相場に転換したことを意味しています。
■当面は政治動向に左右されそうだけど…
相場というのは、本当に気まぐれです。
これまで材料にしていたことを一瞬にして無視し始めます。今回の動きは、その典型的な例です。
当面は、こうした流れの中で、政治動向に左右される相場が続くでしょう。
ただ、政治状況も刻々と変化するため、先行きを見通すのも非常に困難です。
市場は、かなり不安的な動きをするのではないかと考えています。
しばらく様子を見ていることが、1番ではないでしょうか。米国の金利動向からは、少し目を離して考える必要があるでしょう。
(出所:Bloomberg)
■新興国通貨への投資はよく考えて!
最後に、米国の金利が上昇していることなども影響して、トルコリラが急落しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
それに対して、トルコは政策金利の一部を大幅に上げていますが、効果はあまり出ていません。
【参考記事】
●トルコ中銀の緊急利上げでトルコリラ急反発! 政策金利の事実上の上限金利は16.50%に
やはり、金利が高いという理由だけで、こうしたリスクの高い通貨に投資するのは危険であることが、よくわかります。
新興国通貨への投資は、よくよく考えて行う必要があります。
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